「ユキヒョウ」プラチナのように美しくなめらかな毛並
2018年07月31日 公開 2024年12月16日 更新
ネコブームの昨今、ペットとしてネコを飼う人が増えている。しかし、可愛いネコはイエネコだけではない!希少種を含む、普通は飼えないネコの仲間もまた魅力的。本連載ではそんな「ネコの仲間」をご紹介しよう。第3回目は「ユキヒョウ」だ。
華麗さと俊敏さと力強さ…極寒の地に生きる孤高の動物
ネコと言えば、寒がりな動物というイメージはないだろうか。童謡に唄われているように、寒い冬はこたつが大好き。雪なんて降ろうものなら、引きこもってぬくぬくとエサを催促する。そんな生き物だ(とはいえ暑い夏も苦手らしく、一番風が通る快適な場所を見つける天才でもあるのだが)。
しかし、第1回で紹介したマヌルネコのように、寒い場所に適応して暮らすネコの仲間もいる。今回紹介する「ユキヒョウ」は、チベット高原など中央アジアの高山地帯に生息している。ヒマラヤ山脈やアルタイ山脈など、標高2,000~6,000m、気温はマイナス数十度にもなる地域だ。
身体の特徴はなんといっても、その名の通り雪のような白~灰色の毛並だ。チーターとヒョウの模様の違いは前回説明した通りだが、ユキヒョウはヒョウの仲間なので、花柄のような斑点模様が入っている。
身体に比して尻尾が長く立派な点も特徴的だが、胴体は細すぎず、足は太目でしっかり筋肉質のように見える。ネコ科の動物の「可愛さ」と「カッコよさ」の両方をバランスよく備えていると感じる。群を作らず単独行動するという点は、孤高でカッコいい。
運動能力についても他のヒョウの仲間と同様に優れており、特に抜群の跳躍力を持つ。獲物を追いかける時の全力疾走も一見の価値ありだ。しなやかな曲線を描く身体をしならせ、険しい山の断崖を猛スピードで駆け抜け、獲物に追いつく様子は、華麗にして力強く見事だ。
何で尻尾をくわえるのか?わからないけれど可愛いのでOK
ユキヒョウは絶滅危惧種に指定されるほど個体数が少ないこともあり、生態についても解明できていない部分が多いそうだ。たとえば、ユキヒョウの画像を検索していると、自分の尻尾をくわえている画像が出てくる。そういう習性があるのだが、なぜ尻尾をくわえるのかについても、はっきりとわかっていないようだ。
一説によると、そうすると落ち着くからだというが、長い尻尾をくわえたまま歩いている姿を見ると、「尻尾が汚れるのが嫌なのかな」などとも思えてくる。大変可愛らしいので、ぜひ画像検索してみてほしい(掲載可能なロイヤリティフリーの画像の中には見当たらず、残念ながらここには掲載できなかった)。