コツ3:接続詞で読み手のリズムを整える
文章全体のリズムを整えるのには、接続詞が重要な役割をはたす。私の好きな文章のパターンは、結論から入り、それに「なぜならば」と続くタイプの文章だ。
結論が最初にあると、「なるほどそうか」と読む側は安心してその先を読み進めることができる。後ろに「なぜならば」とあればなおさらだ。その先には必ず理由が書いてあると想像できる。
読みやすい文章とは、こうして読者を迷わせない文章でもある。結論から入らなくても、「だから」とあれば、それまで書いてきたことのまとめがあるなと想像できるし、「しかし」とあればそこからは逆のことが書いてあるのだなと想像できる。
読みやすい文章とは、サプライズのない文章であり、その先に曲がり角がある場合にはそれを予め教えてくれる文章のことである。サプライズだらけの文章を悪文という。
だから、接続詞は積極的に使ったほうがいい。読む側を迷わせずに済むからだ。接続詞を多用することは、読み手のリズムを整える手助けになる。
接続詞が読み手を助けているかどうかは、文章を頭から読み返せばわかる。書いた人間に少しでもつっかかるところがあるなら、読む人間は必ずつっかかると思ったほうがいい。
そこに足りていないのが接続詞なら、迷わず接続詞をプラスする。文章読本のたぐいには、いい文章には接続詞が少ないと書いてあるものもあるが、それを信じてはならない。
ただ、接続詞の使い方には癖が出る。
「しかし」を多用する癖、「だが」を多用する癖などが誰にでもあるのだ。800字の文章なら、「しかし」も「だが」も登場は一度くらいが望ましい。
なので、繰り返しを防ぐため「しかし」「が」「だが」「ところが」の逆接の接続詞4点セット、「だから」「なので」「したがって」「ゆえに」の順接の接続詞4点セットを心に備えておくといいだろう。
※本記事は、成毛眞著『黄金のアウトプット術』(ポプラ社)より、一部を抜粋編集したものです。