皇室とは? 皇族とは? ~池上彰さんに、いまさら聞けない「天皇」の話を聞いてみた
2018年08月02日 公開
そもそも皇室とは何か? その一族とは?
戦前の皇室は「菊のカーテン」などと呼ばれていました。それぐらいヴェールに包まれた存在であり、国民が皇室の内側のこと、ましてや日常生活を知ることはできませんでした。
しかし現在は「開かれた皇室」ですから、皇室のことをある程度、知ることができるようになりました。
では、そもそも皇室とは何でしょうか。国語辞典を引くと「天皇とその一族」などと説明されていますが、そうすると、どの範囲までが「一族」に含まれるのかが気になります。
宮内庁のホームページを見ると、「皇室は、天皇陛下と皇族方で構成されています」と書かれています。「天皇陛下と皇族方」とあるのは、天皇は、皇族には含まれないからです。ややこしいですね。公式のように表現すると、「皇室=天皇陛下+皇族」となるのです。
この皇族の範囲は、1947年に皇位継承のルールを決めた法律、「皇室典範」で次のように定められています。
第五条 皇后、太皇太后、皇太后、親王、親王妃 、内親王、王、王妃及び女王を皇族とする。
聞き慣れない言葉もあると思うので、一つずつ解説しましょう。
皇后はわかりますよね。天皇陛下のお妃が皇后です。太皇太后は、先々代の天皇の皇后、皇太后は先代の皇后のことです。
親王は、天皇陛下と皇后の間に生まれた皇子(息子)と、皇子とそのお妃から生まれた男子の皇孫のことをいいます。そして皇子、皇孫のお妃が親王妃です。
内親王は、天皇陛下と皇后の間に生まれた皇女(娘)と、皇子とそのお妃から生まれた女子の皇孫のことです。
王と女王は、「三世以下の嫡男系嫡出の子孫」で、男は王、女は女王だと説明されます。これは一読しただけでは、どういう関係かがわかりませんよね。三世というのは、曽孫のことです(一世は子、二世は孫)。つまり、今までの天皇から見て、男系の曽孫以降の子孫が王と女王ということになります。そして、王のお妃が王妃になるわけですね。
皇室の構成
現在の皇室は19人で構成されています。
天皇陛下と皇后陛下がいて、その皇子である皇太子さまと秋篠宮さまは親王、それぞれのお妃である雅子さまと紀子さまは親王妃ですね。
皇太子と雅子さまの娘、愛子さまは内親王。秋篠宮さまと紀子さまの子女である悠仁さまは親王、眞子さま、佳子さまは内親王ということになります。
天皇陛下のご兄弟には、常陸宮正仁親王がいらっしゃり、そのお妃である華子さまは親王妃です。
昭和天皇のご兄弟とそのお妃の中では、三笠宮崇仁親王妃である百合子さまがご存命です。
また、三笠宮同妃両殿下のご子息とそのお妃の中では、三笠宮寛仁親王妃の信子さま、高円宮憲仁親王妃である久子さまが皇族に含まれます。
さらに、三笠宮同妃両殿下の男系のお孫さんである彬子さま、瑶子さま、承子さま、絢子さまが女王ということになります。この四方は昭和天皇から見ると、男系の曽孫にあたるからです。
以上をまとめると、次のようになります。