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混ぜて焼くだけ! 生カップお好み焼き「おはなはん」 ヒットの舞台裏

松本章子(株式会社おはなはん代表)

2018年09月20日 公開 2018年10月17日 更新

信念をもったモノづくりで、同じ姿勢の経営者の輪ができた

おはなはんの具材(2人前)

――粉に対して、そこまでのこだわりがあるのですね。

松本 粉だけでなく、出汁についても同じです。現状より美味しい良い品質のものを探し追い求めます、求め続けると良い品物に出会いがありますね。ある展示会で見つけたんですよ。埼玉県の和光市の会社さんでした。ものすごくおいしいんですよ。でもコストは高くなってしまいます。それでもやっぱり使います。

これらの味の差は、ほとんどのお客さんにはわからないと思います。それぐらいのちょっとした差です。でも私、そのちょっとの差を大切にしたいんですよ。簡単に「これでよし」とは思わない。妥協できないんですね。

――なぜそこまで手間のかかることをやるのですか?

松本 そもそも私が満足しないものは、絶対にお客さんは満足しないと思いますから。さらに私はよく、「おいしさを超えて、感動まで」と言います。世の中においしいものはたくさんあるけれど、感動するほどのものは少ない。お客さんに満足を超えて感動してもらえるようになるにはどうするか、それを常に考えていて、実現させるのが楽しいのです。

――お客さんの満足度を測る際、同業他社が販売している商品の味との比較はされるのですか?

松本 他社さんのことはあまり気にしません。私は「お客さんに喜んでもらいたい、おいしいお好み焼きを食べてもらいたい」という原点からスタートして商品をつくっています。

一方で真似をする経営者の方は、「売れている商品だから便乗して儲けたい」というところからのスタートではないでしょうか。この心の違い、考え方の相違は商品にはっきりとあらわれると思いますよ。そしてその差を、お客さんの舌が正しく判断すると思いました。そこに任せるのが一番だと。

また、志や信念をもってモノづくりをしていると、同じような考え方の経営者とのおつき合いができ、その輪がどんどん膨らんでいきます。自分を磨き、揺るがない信念をもてれば、生き方・考え方の良い人が自然と集まり、助けてくれるようになるのです。

その輪には、悪い人は定着できないでしょう。話も合わないし、波長も違いますから。京セラの稲盛和夫名誉会長も「善き『考え方』を持ち、『他力の風を味方にする』」と述べておられます。

実際、わが社の取引先の経営者は、私の志や信念を知っていて、真剣につき合ってくださる方ばかりです。良い取引先とおつき合いできています。だから、取引先から値上げの要請が来ても、私は相手を信用しているから、あまり値切ろうとはしません。でも「ほかのところと比べたときに、恥ずかしくないようにしてな」とはいいますけど(笑)。

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「私の心を変えたのは、あなたの会社にも責任がある」

著者紹介

松本章子(まつもとあきこ)

株式会社おはなはん代表

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