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話題のLGBT映画『カランコエの花』監督・中川駿 「傷つけるより離れるほうが寂しい」

中川駿(映画監督/イベントディレクター)

2018年09月27日 公開 2018年09月27日 更新

違和感を抱くのは間違いじゃない

映画『カランコエの花』より(監督:中川駿)
映画『カランコエの花』より

――ストレートの方はLGBTの方とどう向き合えばいいのでしょうか?

(中川)先ほども申し上げたように、作品の中では明確な答えは示しておりません。

ですので、一個人としての意見になりますが、僕は、ストレートの方とLGBTの方は絶対的に違う部分が存在していると思います。なので、相手に違和感を抱くことは仕方がない。でも、それは悪いことではないし、人はそれぞれ違っていていい。

「LGBTの人と自分が違う」という感覚は、男女の価値観が違ったり、異国の人々と文化が異なっていたり、単純に、違う思想を持つ人と出会った時に、「自分とは違うな」と感じることとなんら変わりがありません。

違和感を覚えるのは、自分が今まで生きてきた価値観と異なる価値観と出会ったという点で、仕方のないことです。そして、その時に抱く違和感のために、意図しないところで相手を傷つけてしまうこともあるはずです。傷つけ合ってしまうことは、ストレート同士でもLGBT同士でも起こりますから。

しかし、傷つけることを恐れて離れてしまう方が、傷つけることより寂しいことではないでしょうか。誰かが「自分から離れていく」という感覚は、何よりも悲しくて苦しい。だから、僕は言いたいのです。「傷つけることをそんなに恐れないで」と。

人はみんな間違いがあって当然。間違うことも軋みが生じることも当然に起こります。それを素直に大切に受け入れてほしい。間違えしまったら謝って仲直りして、普通に人と人同士の接し方をすればいい。ただ、それだけなのだと僕は思います。

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マイナスをゼロにしたいだけ

著者紹介

中川駿(なかがわしゅん)

映画監督/イベントディレクター

1987年 石川県生まれ。東京都在住。
大学卒業後、イベントの制作会社にて勤務。その後独立し、イベントディレクターとして活動する傍らで、ニューシネマワークショップにて映画制作を学ぶ。現在はフリーランスのイベント/映像ディレクターとして活動中。監督作品は『time』『尊く厳かな死』『カランコエの花』『UNIFORM』。

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