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話題のLGBT映画『カランコエの花』監督・中川駿 「傷つけるより離れるほうが寂しい」

2018年09月27日 公開

中川駿(映画監督/イベントディレクター)

マイナスをゼロにしたいだけ

――社会を取り巻く課題や、講じるべき策はありますか?

(中川)学校など教育機関レベルでは、マクロな視点とミクロな視点での対応が必要です。LGBTを受け入れるための体制作りとして、マクロとしての全体への情報発信と、ミクロとしての当事者への個別対応が求められます。

映画の劇中では、先生がミクロな対応が出来ていませんでした。生徒はただ先生に自分の想いを聞いて欲しかっただけなのに、それをSOSとして受け取ってしまい、LGBTについての全体授業を決行し、結果的に生徒を傷つけてしまった。

正義感や熱意で先走ってしまうのではなく、LGBTの当事者がどのような対応を望んでいるのかをしっかり見極めて行動するべきです。

一方、国や自治体には、LGBTの方の不利益を無くす土壌作りをしてもらいたいです。例えば、日本では、同性同士では結婚が認められていないため、パートナーが突然の事故でICUに入っても、家族以外の面会が受け入れられない場合があります。

このような、同性をパートナーとして認められない法律を整備する必要があります。しかし、その上で自分がLGBTだとカミングアウトするかしないかはその人の自由です。

最近、ある企業の「僕たちはLGBTを支援します!LGBTであることをどんどんカミングアウトしよう!」というCSR活動を目にしましたが、それは違うのではないかと。

本来、自分自身のセクシャリティを公表する必要はないですよね。ストレートの男性が「僕は、女性が好きです!」とわざわざアピールする必要がないのと同じです。LGBTの方たちは、何か特別な対応を求めているのではなく、今、被っている権利の侵害を是正してほしいだけです。

僕たちが好きな人について話すように、人を愛する幸せな気持ちを話したい。みんなと一緒に“恋バナ”がしたい。けれど、できない。というマイナスをゼロしたいだけだと思います。

特別扱いをしてもらいたいだとか、SOSを出しているのではない。ただ、当たり前のことを望んでいるのです。

この映画を多くの人々に観て頂きたいです。特に「(同性愛者は)生産性がない」という独特の価値観や偏見を持つ方に、『カランコエの花』が届いて欲しいと強く願っています。


取材協力(上映館):アップリンク渋谷

【上映スケジュール】
・アップリンク渋谷(東京):現在公開中
・ココマルシアター(東京):現在公開中
・シネマスコーレ (愛知):10月27日より公開
※上映時間については日によって異なるため、それぞれの劇場HPでご確認いただけますようお願いいたします


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著者紹介

中川駿(なかがわしゅん)

映画監督/イベントディレクター

1987年 石川県生まれ。東京都在住。
大学卒業後、イベントの制作会社にて勤務。その後独立し、イベントディレクターとして活動する傍らで、ニューシネマワークショップにて映画制作を学ぶ。現在はフリーランスのイベント/映像ディレクターとして活動中。監督作品は『time』『尊く厳かな死』『カランコエの花』『UNIFORM』。

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