ケニアの子が全員「習近平」を知っている? 現地で見た中国企業の攻勢と日本企業の奮闘
2018年10月11日 公開 2022年07月08日 更新
国立公園の入場料もケニアと中国が分配している?
ケニアでキリンとともに
いささか質のわるい工事が行われているとはいえ、そうでなければ舗装もされていない凸凹らだけの道路であったわけです。現地の方とすれば格段に便利になっているわけです。
実際に現地の方々にお聞きすると、中国のインフラ開発、中華人民共和国への評価は高く、歓迎されていました。
現地の小学校に訪問した際にも驚いたことがありました。日本で言えば、小学4年生くらいの子どもたち全員が、習近平国家主席の名前を知っていたのです。ちなみに、日本の安倍晋三総理の名前を知っているのはたったの一人でした。
それだけでなく中国のプレゼンスの高さは、マサイマラの国立公園の入り口でも感じさせられました。
入場の際に関所のような場所を通ります。ここで、数十ドル程度の入場料をとられます。その場所に設置された看板には中国語が書かれており、ケニア政府と中国企業の名前も記されていました。
これが何を意味するかおわかりになりますでしょうか?
おそらくこの国立公園の入場料をケニアと中国で折半しているのです。中国企業は現地の既得権益層に入り込んでおり、利益を得ているのです。
インフラを整備して観光客が増えれば、入場料も増えて中国企業への分配も高くなるという構造が出来上がっていると思います。じつに逞しいです。単なる経済支援ではなく、ビジネスを強く意識したアフリカ進出を行っていることの現れです。
次のページ
シェア1位はいすゞ自動車。ケニアにおける日本の自動車メーカーの奮闘