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「上司に報告するためだけのリサーチ」赤字企業に横行するエセ・マーケティング

長谷川和廣(会社力研究所代表)

2018年10月16日 公開 2022年02月22日 更新

 

無駄なエセ・マーケティング業務を洗い出す

「シェア」は、「マーケティング」とも、密接に関係しています。

教科書的な言い方をすると、マーケティングとは、「市場のニーズをつかみ、それをもとに商品開発や流通、販売促進を計画して市場を開拓していく活動」を指しますが、人によっては市場ニーズのリサーチをマーケティングと呼んだり、プロモーションの部分を指して呼ぶこともあります。

このように、人によって焦点が違うせいか、マーケティングの意味や目的をつかみかねているリーダーも多いようです。しかし、私が40年間、この分野を専門に仕事をしてきた立場から言わせていただくと、「マーケティングとは、企業がシェアを取るための活動、そのすべてだ」と解釈しています。

市場調査をするのも、商品企画や営業企画を立てるのも、広告を打つのも、すべて売上を伸ばしてシェアを広げるための施策です。

逆に言えば、同じような市場調査や商品企画でも、シェア拡大につながらないものは、マーケティングとは呼べません。

たとえば、上司にレポートを見せるためだけに市場リサーチを行ったり、消費者のニーズを無視して、開発部門が開発した新技術を無理やり盛り込んだ商品企画を立てたり……。

これらはマーケティングの形を装った社内活動であり、マーケット(市場)に向けた活動であるマーケティングとは似て非なるものです。

会社のなかを見回すと、「なんとなくマーケティングっぽいが、シェア拡大につながるのかどうか疑問だ」という活動が意外にありませんか?

それらの大半は無駄な活動です。定期的に自社の業務をチェックして、エセ・マーケティングになっている業務を洗い出し、本来のマーケティング業務に注力すべきでしょう。

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