「経営者は孤独」の時代は終わったー仲間意識と少数意見を重視する世界の勝者たち
2018年11月08日 公開 2018年11月09日 更新
新時代型リーダーはフラットな組織を志向し、少数意見に着目する
とくに少数派の意見をいかに吸い上げられるかは、企業の存続にかかわるレベルの重要事項となってくるでしょう。偏愛性ある商品で大きな共感を生むには、少数意見こそ大切にしなければなりません。それが、現状を打破するような新しく、クリエイティブな商品・サービスを創り出します。
そのためにも、リーダー自身がどのような思いで何をしたいかが重要です。「好きなことをやる」と決めた人は、ここが決してブレません。かつ、自分自身も偏愛性を持ち、少数意見を理解できるので、周りも信頼してついていくことができます。
リーダーの好きなことに共感した人同士だから、「同級生」のように同じ目線でフラットに意見を交換して新しいものを生み出していくことができます。
DMM.com グループ会長の亀山敬司さんは7年近くスーツを一切着ていないそうです。
そうしていい意味での「ユルさ」を演出することで生まれる信頼感や距離感が、社員に「自由にやっていいんだな」と思わせ、質の高い仕事につながっているのだとか。これも「同級生タイプ」リーダーでいるための工夫でしょう。
今、大企業がスタートアップ企業と組んで新規事業を開発する「オープンイノベーション」がバズワードとなっていますが、数少ない成功事例を創り上げている KDDI、東急電鉄、富士通などのイントレプレナー(企業内起業家)たち曰く、成功の秘訣はどれだけフラット感を出せるかだといいます。
具体的には、スタートアップと組んで進めるプロジェクトでは、カジュアルな服装をしていくとか、打ち合わせでは積極的にスタートアップ企業のオフィスに足を運ぶなど、対等にお付き合いできる関係を意識して創り上げているそうです。
ホラクラシーを導入する企業も増えてきました。ホラクラシーとは、従来のヒエラルキー型の組織に対して、階級などの上下関係を取り払ったフラットな組織スタイルのことをいいます。
アメリカのシューズEC最大手のザッポスが実践していることでも知られており、これからの組織のあり方と目されています。
「フォーブス ジャパン」 で、世間に変革をもたらしている中小企業を「スモール・ジャイアンツ」として特集した際に、面白い取り組みをしている企業がありました。大阪で創業80年の元工具問屋、大都です。
同社では、社員は皆日本人であるにもかかわらず、「ジョニー」「リリー」「カフカ」などとニックネームをつけあって、互いにその名前で呼ぶようにしています(代表取締役の山田岳人さんは「ジャック」なのだとか)。そうしたところ社員同士の仲がよくなり、上下関係なく意見が出やすくなったというのです。
それくらいリーダーたちは、貴重な少数意見を得るために、フラットな組織づくりを心がけているのです。
【お知らせ】谷本有香氏と犬塚壮志氏(『東大院生が開発! 頭のいい説明は型で決まる』著者)のトークイベントが2018年11月15日に開催されます。
谷本有香(『一流の「偏愛」力』)×犬塚壮志(『頭のいい説明は型で決まる』) トークセッション 価値協創の時代で勝ち抜く! キャリアシフトのための究極インプット法