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生き方

高騰する留学費用 翻訳者が教える「英語を日本国内で習得する方法」

タカ大丸(通訳/翻訳家)

2018年12月14日 公開 2023年01月12日 更新

「スキーさえできればお金はいりません」は過去の話

Q:本書の本題になりますが、18、19くらいの子がこのあたりで冬だけでも仕事を探すにはどうすればいいですか?

A:昔であれば、「食べるものと寝る場所さえ提供してくれたらあとは少し働いてスキーをするのでお金はいりません」という方が多かったように思いますが、今は逆に人手が足りないんですよ。

だから東京の派遣会社に頼んで冬だけ人を送ってもらうということが多いように見受けられます。かといって住み込みの仕事を探そうとするなら、個人経営のところではそこまで人を抱え込む余力がないというのが実情ですね。

Q:派遣会社が間に入るということは、中間搾取が発生してしまうということですね。それでも人手不足は続いている。この矛盾が何とかなればいいですね。

A:私が聞いた話ですが、たとえば席数が120くらいある大型レストランで、経営者夫妻がお年を召された方ですので、冬だけ若いバイトがほしいということはあるみたいです。スキー場もバイトをほしがりますからそこで取り合いになってしまい、人手が確保できないということです。なので繁忙期だけ来てくれる人を探すには東京の派遣会社を頼るしかないという構造が続いているようです。

たとえばスキー場なら自社広告で人材を集められるのですが、個人経営の飲食店で繁忙期だけ人がほしいという場合はやはり自力でバイトの労働力を集めるのは難しいのかなというのが実感ですね。

Q:そういう繁忙期だけ白馬で働く人はどこに住んでいますか?

A:スキー場なら寮を完備している場合もありますが、個人経営のペンションなら住み込みの場合もありますし、そうでない場合は近場でアパートを借りてということが多いと思います。

最近は、ダブルワーク、トリプルワーク大歓迎というところが多いということなのですね。昼2か所、夜に1か所働いてという形態でもいいということでそれを実践している若い人たちもいるということです。

Q:そちらの創業支援で事業を始められた方にはどんな業種の方がおられますか?

A:スポーツジムですとか、あと一番多いのは飲食店ですね。あとは、お花屋さん、ホテルを対象にしたガーデニング供給される方もおられますし、スノーボードの調整を冬季限定でされている方もおられます。このお花屋さんはウェディングを対象に絞っておられるようですね。

実際、40年前に移ってこられたペンション創業者の方々はいまだに仲がいいですし、その後新しい世代の人が移り住んできましたけど、大学のときにアルバイトでここにきて、その時の思い出があって戻ってきたという方もおられますからね。そういう流れが今後も続くといいですね。

 

外国人との共存というテーマにも取り組める

もし私が18才なら、まずはホセ・マヌエルの勧めにしたがいフェイスブックのページを活用するだろう。それから、ウィリアムス夫妻に白馬コネクトを1部送ってもらうといいのではないか。返信用切手を貼った封筒を送れば1部入手でき、そこに掲載されているレストランなり宿泊施設なりにあたっていけば何軒かは当たりが出てくるだろう。

それで住み込みの宿泊施設を1軒確保してそこでベッドメイクを行い、午後から夕方にかけてはレストランかスキーリフト、夜はバーテンダーでもすればお金を稼ぎながら英会話実践の場を作れるのではないか。

もちろんそこで英会話に磨きをかけて海外へ雄飛するもよし、白馬が気に入ればそのまま居座って起業経営のイロハを学んで事業を立ち上げてもよい。100万円の創業補助金も待っている。幸い、今回ご登場いただいた方全員が口を揃えて言ったのが「白馬は余所者でも馴染みやすい」だ。しかも、「白馬創業塾」は無料である。

勘のいい読者はお気づきだと思うが、働いてお金を貰いながら英語を極めるだけでなく、外国人との共存という日本が抱えるテーマにいち早く取り組んでいるのがスキーリゾート地である。

時間的にも金銭的にも余裕がある人を相手にどのようなサービスが提供できるのか、稼ぐ仕事を考える観点からも、その分析は重要だ。

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