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医師が本音で話す「がんが再発してしまう理由」

2019年06月07日 公開

中山祐次郎(外科医)

 

悪性とは何が悪性なのか?

がんは悪性であると言いますが、いったい何がどう「悪い」のでしょうか。「がん」という言葉はほぼイコール悪性腫瘍と言えますが、「悪性」という言葉にはこんな意味が込められています。

1.勝手に増える(自律性増殖、アポトーシスの消失)
2.周りを壊したり同じ人の中で血液やリンパ液を介して遠くに移ったりする(浸潤・転移)
3.栄養を奪う(悪液質 )

これらの性質があるものを、「悪性」と呼ぶのです。反対語は「良性」ですが、良性と悪性の線引きは実はあいまいです。良性でも勝手に増えたり、周りを壊したり、遠くに移ったりすることがあります。

基本的には「良性腫瘍は命に別状はなく、悪性腫瘍は命に関わる」と考えてよいでしょう(例外はあります)。脳にできる良性の腫瘍である髄膜腫 などは、できた場所のせいで脳の機能に悪影響を及ぼすことがあります

がん細胞は非常にタフなもので、過酷な環境でも死に絶えず、どんどん増えていきます。つまり再発する力が非常に強いのです。

感染症と比較してみても、それは際立ちます。代表的な感染症であるインフルエンザは一度治ってしまうと再発はまずありません。感染性腸炎でも、1ヶ月経って再発したということは極めてまれです。しかし、がんは1年、2年、がんによっては10年ほど鳴りを潜めて人体に居続け、じわじわと増殖するという嫌な性質があるのです。

 

生活習慣で本当にがん予防できるのか

まず、もっともシンプルな疑問があります。そう、「がんは予防できるのか?」というものです。結論から言えば、「がんを完全に予防することはできないが、がんにかかる危険性を半分くらいに下げることはできる」のです。

突然ですが、「生活習慣病」という言葉をご存じでしょうか。これは、こういう名前の病気があるわけではありません。簡単に言えば「生活の習慣によってかかってしまう病気たちをまとめたグループ名」です。

もともと成人病と呼ばれていたのですが、成人だけがなるわけではありませんし、成人であっても生活の改善で防げるため、その名前は不正確だろうとなり、1996年に名前が変わったのです。

正確な定義は「食事や運動・喫煙・飲酒・ストレスなどの生活習慣が深く関与し、発症の原因となる疾患の総称」(厚生労働省ホームページより)です

この生活習慣病には、肥満や高血圧、糖尿病などが含まれます。そしてあまり知られていない事実として「がんも生活習慣病の一つに入っている」のです。

そう、がんは生活の習慣でかかってしまったり、逆に予防ができたりという病気だということです。これ、驚いた方も多いのではないでしょうか。私は自著で「がんは遺伝子のダメージによる病気である」と言っていますが、その一方で「がんは生活習慣病である」とも言えるのです。



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