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生き方

「がんで最期を迎えるのも悪くない」と語る外科医の本心

中山祐次郎(外科医)

2019年06月06日 公開 2024年12月16日 更新

「がんで最期を迎えるのも悪くない」と語る外科医の本心

<<自分の家族が、自分の大切な人が「がん」と診断されたらあなたはどうしますか。

巷には数多くの健康本が出版されています。その中には、「がんにならない方法」が書かれたものもありますが、身近な方ががんになったときの対処法について書かれた本は稀かもしれません。

今や2人に1人ががんになる時代。著書『がん外科医の本音』では、著者であり、現役のがん外科医である中山 祐次郎氏が、ご家族の方へのメッセージを赤裸々に語っている。>>

※本稿は中山祐次郎著『がん外科医の本音』(SB新書)より一部抜粋・編集したものです。

 

一人の医師としての本音

私は医者になって13年の、一介の外科医です。教授でもなく、目覚ましい業績をあげたわけではありません。現在は福島県の病院で勤務医をやっている、39歳の男です。

そういう、「ある医者の本音」としてお読みいただければと思います。

私にとっての正義は、ある別のがんの医者の正義ではないかもしれません。私が大切にしていることは、他の医者にとってはどうでもいいことかもしれません。

それでも、ある医者である私が感じたことを言葉にし、お伝えすることには意味があると考えています。お読みくださるみなさんへ少しでも価値をお渡しするために、なるべく正直に、ていねいにお話をしたいと思います。

それでは参りましょう。紛れもない、私、中山祐次郎の本音です

 

がん患者の家族は「第二の患者さん」

ご自身ががんにかかると大変なのですが、自分ではなくご家族ががんにかかったときもまた大変です。ですが、この経験をしない人はほぼいません。

2人に1人ががんになる時代ですから、「家族が誰もがんにならなかった」という人はほとんどいないでしょう。ご家族でも、親しい友人、親しい人でもがんにかかる。この項では、そんなときにどう対処するかを書きました。

ご家族ががんと診断されたとき。おそらくあなたは激しいショックに見舞われ、数日間仕事が手に付かないことでしょう。そして、祈るような気持ちで「間違いであってくれ」と思ったり、「軽いもの、治るものであってくれ」と思うでしょう。

私にもその経験があります。さぞ、ご家族が突然がんと診断された方は本当にショックだろうし、おつらいだろう。そう思います。

「第二の患者さん」という言葉をご存じでしょうか。この言葉は、がんにかかった人の家族は、「第二の患者さん」と言ってもいいほど患者さんと同じくらい大変なんですよ、という意味です。

私は、漫画家で夫ががんにかかってしまった方のコミック『今日から第二の患者さん がん患者家族のお役立ちマニュアル』(青鹿ユウ 小学館)で初めて知りました。

「第二の患者さん」。実に見事と言ってもいいほど、がん患者さんの家族の大変さを表現した言葉だと思います。もちろん当の本人も大変なのですが、家族も同じくらい、そして、時には本人より苦しいことがあるのです。

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余命宣告を受けるのは本人よりも家族

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