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医者の家族は「抗がん剤」治療を受けるのか? 医師が明かした実際

2019年04月15日 公開

長尾和宏(医学博士、医療法人裕和会理事長)

抗がん剤を知る

医師の長尾和宏氏は、自身は抗がん剤治療は受けたくないと思っていたが、その後、遺伝子検査の研究が進み、効く薬が事前に予測できるようになってきたことで少し考えが変わりつつあるという。

多くの人が不安をおぼえ、場合によっては拒否すらされる「抗がん剤」について、町医者として多くのケースに立ち会った長尾氏が"実際のところ"を語る。

※本稿は長尾和宏著『抗がん剤が効く人、効かない人』(PHP新書)より一部抜粋・編集したものです。
 

がんになれば、医者も医者の家族も治療を受けている

もしも抗がん剤が何の効果もなく、副作用だけをもたらす薬なら、医者は決して自分では受けないはずです。

でも、実際は、医者だって、がんにかかれば患者さんと同じように抗がん剤治療を受けている人が多くいます。それに医者自身の親や配偶者ががんになった場合も、患者さんと同じように抗がん剤治療を行っています。

抗がん剤治療は受けないと公言している人の意見は目立ちますが、実際は少数派のようです。受けない理由の多くは、「そういう生き方だから」という漠然としたもの。私自身は、「絶対に受けない」から、気持ちが微妙に変わってきました。

ちなみに、終末期の延命治療として行う胃ろうの場合は、患者さんには行っていても、「自分自身は絶対に嫌だ」という医者がほとんどです。老衰での胃ろうは、寿命を延ばせても、決してハッピーな延命処置ではないということを多くの医者は知っているからでしょう。

でも抗がん剤の場合は、医者だって、医者の家族だって受けている場合が少なくない。

その理由の一つは、医者は副作用のことを知っているからこそ、「つらいのは当たり前。でも、延命効果があるからやる」と、割り切って考えているからかもしれません。

副作用のつらさを知らずに治療を受ければ、「なんてひどい治療なんだ」と、患者さんは思うでしょう。

でも、医者は、事前にある程度の覚悟をしているので、治療の効果のほうに目を向けられるのかもしれません。

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