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「若く見えるね」もセクハラに? 危険な上司の“アンコンシャス・バイアス”

守屋智敬

2019年06月26日 公開 2022年12月21日 更新

 

非言語メッセージから相手の感情を汲み取る

「相手の気持ちを汲み取るのが苦手」という人もいるかもしれません。そんなときは、相手の表情や反応、態度をよく観察してみましょう。リーダーは、「非言語から相手の感情を読みとろうとする心の姿勢」をもつことが大切です。

非言語メッセージから、メンバーの感情をどうキャッチするか、そのポイントは5つあります。

【1】相手の「目」を見る
目を伏せたり、目を合わせなくなったり、目が泳いだりする
【2】相手の「表情」を見る
表情がこわばったり、眉間に皺がよったり、口を強くつぐむ
【3】相手の「声・話し方」に注意する
声が小さくなったり、語尾が小さくなったりする
【4】相手の「態度・しぐさ」を見る
腕組みをしたり、うつむいたり、不自然に手が動いたりする
【5】相手の「反応」の変化を見る
返事をしなくなったり、反応が小さくなったりする

たとえば、メンバーと話をしていて、ふと笑顔が消えた瞬間を見逃していませんか? 表情の変化、感情の変化は、メンバーに関心がないと気づくことはできません。

相手の表情・態度・反応は、「感情のメッセージ」です。「どこか、何か、違和感がある」と少しでも感じたなら、

「あれ? 今、私が言ったことや、やったことで何か不快になったかな?」
「私のどんな思い込みが、不快にさせたのだろう?」

と、振り返る習慣をつけてください。

メンバーの感情の変化に気づき、「私の言動の何かが、知らず知らずのうちにメンバーの心に大きな影響を及ぼしてしまったようだ」と思えるかどうかに、自己認知力があるかが表れます。

 

アンコンシャス・バイアスに気づいたら

そして、「つい言ってしまった」「やってしまった」と思ったら、挽回です。

「もしかしたら、私に何かアンコンシャス・バイアスがあったのかもしれない。いやな思いをさせた気がするんだけれど……」と言葉にして、確認するようにしましょう。

ここで、相手が「大丈夫です」と答えたとしても、目と目を合わせることなく、下を向いて話していたなら、「大丈夫だと口では言っているものの、大丈夫ではないのでは?」と、相手の言葉を鵜呑みにすることなく「違和感は何だったのか?」と自問自答してみましょう。あなたのその姿勢は、きっとメンバーの心にも届くはずです。

このように、アンコンシャス・バイアスを意識することで、「親切のつもりでやったのに、なんで感謝されないんだ!」「褒めたつもりなのに、最近の子は気難しい」と思っていたシーンでも、「もしかしたら、自分の中のアンコンシャス・バイアスのせいかもしれない」と見方を変えることができるでしょう。

それが、職場の雰囲気を変え、メンバーのモチベーションを上げ、業績アップにもつながっていくに違いありません。

まずは、「こういうものだ」「これが常識だ」と確信をもっていることから疑ってみること。そして、メンバーの細やかな感情の変化に気づくこと。こうすることで、自分の中のアンコンシャス・バイアスをあぶりだすことができるでしょう。

「アンコンシャス・バイアスを意識し過ぎると何もできなくなりそう」ではなく、思い込みという扉を解き放つことでより視野が広がり良い方向へ向かうというイメージを持って、ぜひ意識改革に取り組んでください。

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