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「小声で話す講師」に講演依頼が殺到する理由

小木曽健(おぎそ・けん)

2019年08月23日 公開 2019年08月26日 更新

 

両手を見せる、そして動かすと聞き手に安心感を与える

よく両手を後ろに回して話すスタイルの人がいますが、実はアレもの凄くもったいない! 人間の心理なんですが、目の前にいる人の手が見えていないと、無意識に不安な気持ちになるのです。

ゲストを不安にさせたら伝わるものも伝わらなくなりますよね。隠れているのが片手だけでも不安感を与えます。両手だったらもっと不安になるでしょう。

実はこの話、私がある人に注意されたことがきっかけで知ったのでした。私、ずっと手を後ろに隠すクセがあったんですが、その人はいつも違和感があったそうなんですね。それで、その違和感の理由をわざわざ調べて私に教えてくれたんです。

それ以降、私は手を後ろに隠さなくなりました。本当に感謝しています。ゲストに「不安」を感じさせちゃダメですよね。だから両手は必ず見せましょう。

両手を見せる理由はもう一つあります。手を前に持ってくると手持ち無沙汰になるので、自然と手が動き、身振り手振りで話すクセがつくのです。

これは、片手、両手、どちらでも構いません。初めはちょっと恥ずかしいかもしれませんが、簡単にソレっぽく見せるやり方があります。古畑任三郎のマネをするのです。

あの人の身振り手振りは100点満点、プレゼンのお手本。完璧です。もし古畑任三郎が直立不動でセリフを言ったら、かなり違和感があるでしょう?

「えー、古畑任三郎のマネなんて……恥ずかしくて出来ない」という方でも大丈夫。握手をする時のように片手を伸ばし、その手を真横に開いてみて下さい。そして上下に動かす、コレだけです。手元でゴチョゴチョ動かしているより、はるかに躍動感があって、なんか凄い話をしているように見えますよ、オススメです。

 

人は「うなずき」で説得できる

例えば、人混みや狭い通路で誰かとすれ違う場面で、相手と同じ方向に避けてしまい気まずくなる時がありますよね。実はそうならない方法があります。

歩きながら、自分が進みたい方向をまっすぐ見る、もう目からレーザーが出るんじゃないかっていうくらいガン見する。すると向こうからやってくる人に、相手の視線を遮りたくない気持ちが生まれて、自然と進路を空けてくれるのです。

こんな感じで、人間の行動や心理は理屈で説明できる部分がけっこうあります。そしてこの知識はプレゼンでも強力な武器になるんです。

もしあなたが、いま話している内容を是非とも信じてほしい、信頼してほしいと思ったら、その内容を伝えながら「ウンウン」とうなずいて下さい。一番伝えたい、大事な言葉と同時にうなずく、これだけで信頼度がグッとUPします。

これも人間の心理で、うなずきながら説明されると、その内容を信頼する気持ちが高くなるのです。厳密には、相手がうなずいていると自分もうなずきたくなる、という意識の応用なのですが、これを「信じてほしい」「もう一度チャンスを」などの大事な場面で使うと、相手が信じてくれたり、許してくれる可能性が上がります。

例えば「オレが悪かった」というセリフ、頭をまったく動かさずに言われたら、どう思います? どんなに申し訳なさそうな顔で言われても「おや?」という違和感を覚えるハズです。

逆にむっとした表情であっても、「悪かった」と言いながらコクって首をタテに動かされて言われたら、「ああ、謝る気持ちがあるんだな」って感じますよね。

うなずきって本当に重要なんですよ。もし「うなずき」が恥ずかしかったら、せめて話しながら首を前後に動かすだけでもやりましょう、是非!

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