絶対にNGなのに…「よその子ども」と比べてしまう親の心理
2019年10月29日 公開 2019年10月29日 更新
難関大学に合格しても、一流企業に就職しても幸せになれるとは限らない時代であることは、親自身も体験から気づきはじめている。それゆえに「子どもの自己肯定感」が注目されている。
子どもが本当に幸せになるには、"自発的に幸せをつかむ力"が必要となる。自己肯定感を高めることで、コミュニケーション力が養われ、チャレンジ精神も備わってくるという。
放課後NPO法人アフタースクールで、5万人の子どもと向き合ってきたNPO代表・平岩国泰氏が、自著『子どもの「やってみたい」をぐいぐい引き出す! 「自己肯定感」育成入門』にて、自身の経験から子どもの自己肯定感を引き出す具体的なメソッドを紹介している。
ここでは、同書よりダメだと思っているのにわが子を他の子と比べて、子どもの自己肯定感を失わせてしまう親に向けた改善法を説いた一節を紹介する。
※本稿は平岩国泰著『子どもの「やってみたい」をぐいぐい引き出す! 「自己肯定感」育成入門』(夜間飛行刊)より一部抜粋・編集したものです
ほとんどの親は、我が子を「まわりの誰か」と比べてしまう
自己肯定感を育てる上ではできるだけ避けた方がいい、しかし現実的にはほとんどの親がやってしまうこと。
それは、我が子と「他の子ども」を比べてしまうということです。
例えば、隣に住んでいる○○ちゃん、同じクラスの〇〇くんが習いごとやテストで立派な成績をとっていると「うちの子は大丈夫なのか」と不安が湧いたり、逆に、我が子の方が勉強が進んでいたりしたら嬉しくなったりと、周囲と比べて一喜一憂してしまう。
そんなお父さん、お母さんは多いのではないでしょうか。「他の子と比べても仕方ない」とわかっていても、ついやってしまいます。
経験値の高い親御さんはおわかりのことと思いますが、親がこうした比較のもとにほめる、ほめないという評価の仕方をしていると、「結果を出さないと評価されない(見捨てられる)」という不安が湧きます。
「自分がどれだけ努力したか」ということよりも、周囲の客観的な評価ばかりを気にするようになってしまうのです。これは、子どもの成長にとってはマイナスでしょう。
勉強は平均以上にできるし、スポーツや芸術方面で得意なものもある。そんな子ほど、実は「自分なんか」「まわりと比べて自分は......」という気持ちを抱いていたりすることもあります。比べればつねに上には上がいるからです。
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「比較」が避けられないからこそあえて家では「比較」をしない