絶対にNGなのに…「よその子ども」と比べてしまう親の心理
2019年10月29日 公開 2019年10月29日 更新
子どもを評価したいときは過去の「その子自身」と比べる
子どもが本来持っている長所や能力を十分に発揮させるには、比較対象を外ではなく、内側に持つということが必須条件になります。
つまりやるべきことは、他の子と比べるのではなく、「以前のその子と比べる」ということなのです。
例えば、誕生日、年末、年度末などの節目節目で、子どもを1年前と比べてみるのはいかがでしょう。これは、さかのぼりすぎても、近すぎても効果が薄くなります。半年から1年前との比較がおすすめです。
少し前の子どもがどんなふうだったか? ぜひ、当時の姿や言動を振り返って、 できるだけ詳しく思い出してみてください。写真などがあれば、最高です。
どうでしょうか。意外なくらい、成長していないでしょうか?
・知らない人にもしっかりと挨拶ができるようになった
・自分で着替えや準備ができるようになった
・普段の会話で、ちゃんとした言葉を使うようになった
・キャッチボールで球が届くようになった
・興味を持って自分で本を調べるようになった
こんなふうに、さまざまな成長に気づくはずです。
以前にはさんざん苦労していたことも「あれは何だったんだ?」というくらいいつの間にかできるようになっています。
できていることに慣れてしまうと、ありがたみを感じなくなりますが、1年前の子どもの姿と比べると大きく成長してはいないでしょうか?
子どもは、自分ひとりでは自身の「成長」に気づけない
その子の「過去」と「現在」を比べることで、その子自身の成長が見えてきます。
きっと心から「すごいなあ」と思う成長があるでしょう。 「課題の多い子」ほど印象に残るものですが、年度末に振り返ると春先の彼、彼女たちの姿と比べて、感動するほど成長しています。
ポイントは、たいていの子どもはその成長に、自分では気づけないということ。親が「前より成長しているじゃない!」と声をかけることで、はじめて「成長しているんだ」と気づくことができる。加えて、自分自身の中での成長そのものを大事にし、楽しめるようになります。
「うちの子は課題だらけ」と感じている方こそ、節目節目で、ちょっと前のその子を振り返る習慣を取り入れてみてください。
この方法は、特に「うまく子どもをほめられない、いつも叱ってしまう」という親御さんにおすすめです。ほめ方の原則としては、少し前の子ども自身と比べて「だいぶ○○ができるようになったね!」と声をかけるということ。
この方法だと比較的ほめやすく、しかもうまくほめられると思います。