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「いい会社」という言葉から見える病理

2019年11月29日 公開

青野慶久(サイボウズ代表取締役)

青野慶久(サイボウズ代表)

日本の会社員は、各種調査で「世界一会社が嫌い」などと言われる。こうした「会社が働く人を不幸にする」状況に警鐘を鳴らしているのがサイボウズ社長・青野慶久。

著書『会社というモンスターが、僕たちを不幸にしているのかもしれない。』(PHP研究所)は「いい会社」という言葉への危機感から生まれたという。「100人いれば、100通りの働き方」を提唱し、先進的な働き方の旗手として知られるサイボウズは「いい会社」ではないのだろうか? 著書の担当編集者とともに「令和における、会社と働く人との関係」について語った。

※本稿は「Cybozu Days TOKYO 2019」の基調講演をもとに抜粋・編集したものです

 

社員を不幸にしている会社は解散した方がいい

【青野】サイボウズが開催している年に1度のイベント「Cybozu Days」。今年のテーマは『モンスターへの挑戦状』です。このモンスターというのは、私たちが心の中で作り出している思い込みを指します。

昨年『会社というモンスターが、僕たちを不幸にしているのかもしれない。』という本を書きました。

会社って、本当は実在していません。会社というのは法人ですから、法のもとの人です。だから、実際にはいない。いないけれど、私たちは「会社のために頑張ろう」「会社に迷惑がかかるから」なんていう言葉を使ってしまう。

私たち実在する人間が幸せになるために法人を作り出したにもかかわらず、なぜかこの作り出したモンスターによって私たちは不幸になっている。

これはおかしいんじゃないか。これを何とか逆転させたい、このモンスターと私たちは戦って行きたい。それが今回のテーマになります。

ゲストに本書の担当編集者である、PHP研究所の大岩央さんをお招きしています。この基調講演枠に一般の会社員の方が出られるというのは初めてじゃないかと思います。

【大岩】ありがとうございます。PHP新書という新書シリーズの副編集長をしております、大岩と申します。今年のCybozu Daysのテーマはこの本をきっかけに『モンスターへの挑戦状』と決まったと聞いて、とても嬉しく思っております。

【青野】『会社というモンスター~』の本は、もともとは出版社側から「青野さん何か書きませんか」という話をいただいて生まれました。

私は前著(『チームのことだけ、考えた。』ダイヤモンド社)で組織論を書いたのですが、その本ではまさにこの「会社とは何なんだ」というテーマが欠けていた。だから「そういう本を書きたいんです」というお話をさせていただきました。最初に話を聞いた時はどうでしたか? 

【大岩】「会社ってモンスターだよね」ということを最初に聞いた時は、正直に申し上げてあまりピンと来なかったんですね。ただ、青野さんのお話をいろいろ聞いていくうちに、なるほど、と。

【青野】本で書いたのは、「会社は本来人間が幸せになるために作ったはずなのに、会社のために社員が不幸になっているのであれば、その会社はもう解散したほうがいい」と。

例えばバンドをやっていたけれども、そのバンドがつまらなくなった。だったら解散したほうがいいじゃん、次のバンド作ったほうがいいに決まっているじゃん、となる。ただ、会社となるとそれがなかなかみんな腑(ふ)に落ちないんですね。

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