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生き方

デジタル化の時代に若者が「つながり」を求める意外な理由

鵜飼秀徳(正覚寺副住職・ジャーナリスト)

2020年02月12日 公開 2023年09月12日 更新

鵜飼秀徳

仏教は人生のエッセンスの宝庫

――次代を担う若い世代は、決して先祖への思いを軽視していない。その意味で、仏教の未来は悲観すべきではないと言えますね。

【鵜飼】 私もそう思います。経済成長への傾倒に違和感をもち、新たな拠り所を模索している現代の日本において、仏教のニーズはむしろ高まっていると感じます。

働き方にしても、かつては会社のために尽くすのが当たり前でした。でもいまは副業や兼業を解禁する企業が見られるように、組織の流動性が増している。

世の中は諸行無常であり、諸法無我(すべての事象に永遠不変の主体がないこと)」です。こうした本来の仏教的在り方が見直されていることについてはポジティブに捉えています。

――日本人が長年親しんできた仏教に、いま一度立ち返るべきときがきているのかもしれません。

【鵜飼】 仏教は2500年前にお釈迦様(ゴータマ・シッダルタ)が悟りを開いてから現在に至るまで継承され、日本に伝来してからは1500年が経ちます。

「仏教衰退」と言われながらも続いているのは、そこに世の中の真理が詰まっているからでしょう。企業の組織論や経営戦略はさまざまですが、表面的な手法は時代の変化と共に寂れていきます。

一方で仏教は、ビジネスに活用できる考えのみならず、人生を豊かに過ごすためのヒントがあふれた、エッセンスの宝庫です。

仕事に行き詰まったり、人間関係で悩んだり、人生の活路をなかなか見出せなかったりするとき、仏教がその道標になってくれることでしょう。

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