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謎の旅人「タナカ」号泣!? 25人暮らしのバングラディシュ大家族の"おもてなし"

さくら剛

2020年02月18日 公開 2020年02月19日 更新

 

タナカは君たちのことを決して忘れないだろう

翌日、移動日。6時起床でバックパックを背負いバス乗り場に向かうと、なんとそこにハッサンとサラムがいた。

「タナカー!グッドモーニング!」

おおキミたち!昨日はありがとう。あれ、ここでなにやってるの?

「タナカにグッドラックを言うために来たのさ。1時間も前から待ってたんだぜ!」

タナカにグッドラックを言うため……それだけのためにわざわざ……。たった1日立ち寄っただけの異国の町で、こんなにもよくしてもらえるなんて。タナカ嬉しい(号泣)。

「タナカ、荷物を貸して。ほら、あそこに停まってるのがダッカ行きのバスだよ!」

2人はそう言うと、私のバックパックと手荷物をすべて抱え、該当のバスまで連れて行ってくれた。

「じゃあねタナカ!手紙出すからね!またいつか会えたらいいな!」

ありがとうハッサン!サラム!キミたちの親切は忘れないから!タナカのことも忘れないで!

「グッドラックタナカ〜〜〜!」

そして、バスは町を後にした。バスの中、私は柄にもなく少ししんみりとした気分になった。

久しぶりに、楽しい出会いだったなあ。1日しか滞在しない町の片隅で、たったひと言挨拶を交わしたことで、こんなに心に残る出会いが生まれるんだな……。

良かった。決して面倒くさがらず、地元の人々と積極的に触れ合うスタイルの旅を続けて来て良かった。

私はいつまでも、2人のことを忘れないだろう。きっとハッサンとサラムも、日本からやって来た旅行者「タナカ」のことを、ずっと忘れないでいてくれることだろう。

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