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「部下の話にまったく耳を貸さない」上司への"正しいあきらめ方"

伊庭正康(らしさラボ代表)

2020年02月26日 公開 2022年06月02日 更新

 

あるホテルの主任がとった作戦

実際、私が取材したホテルでも、「見せる」ことの効果を感じるエピソードを聞きました。そのホテルは、パーティー、結婚式をすること自体がステイタスにもなる、そんな地域では老し にせ舗のホテル。

しかし、客数は減少の一途をたどり、売上もピーク時の半分以下になっていました。

ちょうどその頃、転職で入社したのが、当時31歳の主任でした。

ある披露宴で、パサパサの冷えた尾頭付きの鯛がテーブルに並べられているのを見て、「これからの時代、これではやっていけない」と感じます。そこで調理長に意見を求めたのですが、「宴会の料理は、こういうものだ」と一いつ蹴しゆうされてしまいます。

しかし彼は、あきらめません。

調理長を誘い、予約の取れない人気レストランに行くことにしたのです。

主任 「この店、予約が取れないほどの人気店なんです」
調理長「確かに、味もいいね」
主任 「調理長でしたら、これより美味しい料理がつくれると思うんです」
調理長「……」
主任 「 調理長の料理でしたら、我々、宴会部も、もっと集客ができると思います。料理でお客様を呼べるホテルにしませんか?」
調理長「……いいね」

こうして、腰の重かった調理長が、新しいメニューの開発に着手したのでした。

その甲斐もあり、今、そのホテルは、宴会だけではなく、食事を目的に来られるお客様も増えています。

さて、どうでしたか。見せる方法は、ほかに幾通りもあります。このように「現地・現物」を見せる方法もあれば、「グラフで見せる」「お客様の声を映像にする」「アンケートをとる」といった方法もあるのです。

岩のように頑固な上司がいる場合の対策として覚えておきたいところです。

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