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社会

「教えてもらえればできる」…ネットを知らない人が抱く”謎の自信”

竹内謙礼(有限会社いろは代表)

2020年03月31日 公開 2023年11月02日 更新

 

セカンドオピニオン的に意見を聞いてみるのは効果的

ネット専門のコンサルタントが介入して成果をあげられるのは、ネットを「知っている人」が集まる企業に限られる。

ネットが何もわからないからといって、ネットの専門家を呼びつけても、おそらく「素人はこういうネットビジネスに手を出すのは止めましょう」とたしなめられてコンサルティングが終了してしまうのが関の山である。

もしくは、仕事が欲しいコンサルタントが、失敗するとわかりながらも「ぜひ、やりましょう!」とけしかけて、報酬だけをもらって、最後は「失敗したのはあなたたちのせいです」と言って去っていくのが、お決まりのパターンといえる。

しかし、今後のネットビジネスの戦略や方向性のアドバイスをコンサルタントに求めるのであれば、専門家の意見として聞いておく価値は十分にある。

コンサルタントはさまざまな現場で、さまざまな実例を目にしているので、企業の実力の"平均値"を知っている。自社がその平均値を上回っているのか、下回っているのか客観的な意見を聞くことは、大きな失敗を防ぐことにもなるし、チャンスをつかむきっかけにもなる。

また、セカンドオピニオン的に単発でコンサルタントを入れてみるのもいいだろう。自社のネット事業が正常に動いているのか、第三者の立場から見てもらって指導を受けることは、社内や社外のスタッフに緊張感を持たせるのに効果的といえる。

私の仕事も、ここ近年は「第三者の立場からネット関連の業務にアドバイスしてほしい」という依頼が急増している。SEOやリスティング広告のほか、ホームページやSNSの運用法など、1日だけの単発で、検査官のような仕事をしてほしいと頼まれる。

現場スタッフからは嫌な顔をされる仕事ではあるが、まちがっていることは指摘するものの、正しく運営されているところはしっかりほめるようにしている。想像しているよりも穏やかな雰囲気の中でセカンドオピニオン的な業務をさせてもらっている。

 

日当10万円以下のコンサルタントは契約を見直すべき

ネット専門のコンサルタントの料金は、月1回の企業訪問でアドバイスをおこない、電話相談、メール相談が無制限でできるという条件付で、10~20万円が相場だと思われる。

弁護士のタイムチャージが1時間3万円で、3~6時間拘束してだいたいそのくらいの料金になることを考えれば、専門家のアドバイスを受ける世間の相場そのものが10~20万円で落ち着くところがある。

逆をいえば、日当で10万円を切ってしまうようなコンサルタントは、今一度、契約を見直すことをおすすめする。自分自身の価値を上げることができないコンサルタントが、クライアントの価値を上げることなどできるはずがない。

そのようなコンサルタントは、アドバイスを求めるよりも、実際に作業や業務をやってもらい、外注の業者として接したほうが得策といえる。

また、月1回の訪問コンサルティングで20万円以上のフィーを求めてくるコンサルタントというのも、難しい立ち位置といえる。

SEOやリスティング広告などの別の付加価値がつくのであれば20万円以上の価値はあるが、アドバイスだけで30万円、50万円というフィーが発生するのならば、その価値が出せるほど、今のネット業界はかんたんに売上が出せる状況ではない。

そのような高いフィーをコンサルタントに支払うのであれば、現役で働いているサラリーマンからアドバイスを受けたほうが、実践的なノウハウを確実に手に入れることができる。

どんなに優秀なコンサルタントでも、やはり現場でお金と手を動かしている人の経験には敵わない。そのようなスキルの高い他社の社員に定期的に訪問してもらってアドバイスを受けるほうが、費用対効果の優れたコンサルティングになる。

その反対で、他社の経営者が片手間でやるコンサルティングは受けないほうがいいだろう。現場のことは知らないし、見栄を張りたがるので話の真実味に欠けることが多い。また、自分の経営する会社を差し置いて他社の面倒を見ている時点で、すでに一流の経営者ではない。

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