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「教えてもらえればできる」…ネットを知らない人が抱く”謎の自信”

竹内謙礼(有限会社いろは代表)

2020年03月31日 公開 2024年12月16日 更新

「教えてもらえればできる」…ネットを知らない人が抱く”謎の自信”

ホームページ制作、システム構築、SEOやリスティング広告の運用代行……。ネット業界ほど相場がわかりづらく、"適正価格"を「知っている人」と「知らない人」の格差が激しい業界はない。

そう語るのは、ネットビジネスのプロとして楽天市場で2年連続ショップ・オブ・ザ・イヤーを獲得するなど数々の受賞歴を持つ、有限会社いろは代表取締役の竹内謙礼氏。

自身もネット専門のコンサルタントとして多数のクライアントに関わってきた竹内氏。数々の失敗例を見てきた経験から、そもそもネットビジネスは不確定要素が多いため、知識や経験が不足している会社ほど安易に外部の知見に頼らないよう注意すべきだと主張している。

本稿では、竹内氏の著書『ホームページの値段が「130万円」 と言われたんですが、これって相場でしょうか? ~ネットの価格はまだまだ下がる! 』より、安易に外部のコンサルタントに頼る危険性や、社外の知見をうまく取り入れる秘訣について書かれた一節を紹介する。

※本稿は竹内謙礼著『ホームページの値段が「130万円」 と言われたんですが、これって相場でしょうか? ~ネットの価格はまだまだ下がる! 』(技術評論社)より一部抜粋・編集したものです。

 

知識がないままコンサルタントを活用するのはムダ

自分の仕事を棚に上げて言うのもおかしな話だが、ネット専門のコンサルタントを雇う場合は、今一度社内の体制を見直してから検討したほうがいい。

社内がネットを知らない人ばかりだと、どんなに優秀なコンサルタントが乗り込んでも実践に移せないので、成果をあげることができない。

ネット専門のコンサルタントは、あくまでネットビジネスをメインの事業としている企業で役に立つ存在であり、指示やアドバイスを実践できる社員が常勤している企業でなければ、コンサルタントの持っている実力を十分に発揮することはできない。

特に中途半端な知識を持ち合わせている一般企業の人たちに対して、ネット関連のビジネスのレクチャーをすることは非常に難しい。

情報がアップデートされておらず、まちがった知識を鵜呑みにしているため、1つのテーマの結論を出すために、いくつもの事例を用いて、丁寧に説明していかなくてはいけない。

「知らない」と素直に認めてくれれば話は早いのだが、「バカにされたくない」「いいところを見せたい」という見栄が相手に働いてしまい、説明に説明を重ねて、逆に話が複雑になってしまうことも多々ある。

さらに、ネット関連の費用の解説は難しい。たとえば、「SEOに100万円かかる」と説明した場合、仕事の内容と事情を理解していない人は、すぐに成果を聞こうとする。

「100万円を投資した場合、検索結果で1位を獲得するまでにどのくらいの日数がかかり、いくらぐらいの売上効果が見込めるのでしょうか」

このような発言が会議で飛び出してしまうと、どこから説明すればSEOを理解してもらえるのか、頭を抱え込んでしまう。

ネットビジネスは、ほかの商売と違い、不確定要素が多すぎる。グーグルの検索エンジンのアルゴリズムは不透明だし、常に他社との競争にさらされるため、ライバル企業の動向にも影響を受けやすい。

価格設定や広告の投資、SNSやメルマガの投稿など、さまざまな販促を多方面から受けることによって、1つの施策に対しての販促効果を正確に予測することが難しいのである。

この不確定要素の大きいビジネスを安定させるためには、投資と経験が必要である。多くの投資をして、多くの失敗と成功を繰り返し、経験とデータを積まなければ正確な予測を立てることはできない。

しかし、ネットビジネスの経験がない企業は、この投資と経験がない。失敗することを嫌うために投資金額を抑えた結果、経験になるほどの成果もあげられず、結局、うやむやなネット販促を繰り返すことになってしまう。

ネットビジネスを専門としている企業と、そうでない一般企業との差は、まさにここである。

ネットを「知っている人」であれば投資の金額と期間の目処を立てることができるのだが、ネットを「知らない人」だとその目処が立たない。その結果、いつまで経ってもコンサルタントに「これは失敗しないか?」と聞き続けて、何もできずに終わってしまうのである。

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セカンドオピニオン的に意見を聞いてみるのは効果的

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