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どんな環境変化にも適応できる子に! 家庭でやるべき「アグネス流、これからの子育て」

アグネス・チャン《歌手、エッセイスト、教育学博士》

2020年04月30日 公開 2020年05月01日 更新

どんな環境変化にも適応できる子に! 家庭でやるべき「アグネス流、これからの子育て」

想像もできないほど仕事も勉強も生活も変わっていく時代に生きる子どもたちに必要な力とは? 今の親に求められる大切なこととは?

歌手・エッセイストとして活躍するアグネスさんは、教育学博士でもあり、仕事を続けながら3人の子どもたちをスタンフォード大に合格させたことでも注目されました。

アグネスさんは言います。これからの時代は、同じ内容を同じペースで学んでいてもダメ! 周りと同じように、または一歩先ゆく教育ではなく、その子にしかできない特技や能力を見つけ出して伸ばしていくことが重視されます。

「変化する時代に対応できる子」「世界に通用する子」「自分で考えて決めることができる子」に育てるアグネス流教育法。休校が続き、子どもたちの学習に不安を感じる保護者のかたに、家庭でこそやるべき教育のヒントをお届けします。 

※本稿は、アグネス・チャン著『10歳までに鍛えておきたい20の能力』より、一部を抜粋編集したものです。
 

変化のある生活から適応力は生まれる

環境の変化にそって自分を変えていける力が適応力です。適応力はどのように育てればいいでしょうか。

子どもの適応力を高めるためには、親は毎日同じ生活にならないように努力します。生活が毎日違うと、子どもの脳が活性化して、臨機応変に対応できるようになるからです。

子どもに「毎日、違った驚きがある」「想定外の楽しいことが起きる」「毎日、学んで感動できる」という変化のある毎日を与えてあげましょう。そんな毎日を送っている子どもは、「変化はいいことで恐れる必要はない、抵抗したりせずに受け入れればいいのだ」と感じ、適応力が高まるのです。

反対に、毎日同じ生活の繰り返しでは、子どもの適応力が下がってしまいます。毎日同じようなものを食べ、同じようなスケジュールで過ごすことは子どもたちにとって一見、居心地がいい環境です。しかし、3時におやつを食べる、寝る直前にお風呂に入る、というようなことが習慣化されると、自分が最も快適だと思う範囲が固定化されてしまいます。快適だと思う範囲から少しでも外れると、居心地が悪くストレスがたまって嫌だと感じるようになるのです。新しいものを受け入れよう、食べたことがないものも食べてみよう、と思えなくなっていきます。

人間関係も同じです。毎日、気が合う人と付きあっていれば居心地がいいですが、次第に気が合う人としか会いたくない、気が合わない人と付きあうのはストレスがたまるから嫌だ、という気持ちが生まれます。「これは食べたくない」「この人とは話したくない」「このベッドは硬すぎる」など、決まりきった生活しか居心地がよくないと感じる子になってしまいます。

いまは一瞬一瞬で変わっていくような世の中です。私たち親は子どもを、雪山でも砂漠でも川の近くでもどこでも生活でき、どこにいても楽しみを見み 出いだせるような人間に育てたいものです。どんな状況でも慌てない、苦痛に感じない子どもを育てていくのが未来に向けた子育てです。

砂漠で生活するために、どうすればいいのか? 雪山では何が楽しいのか? 自分のコンフォートゾーン(居心地のいい場所)以外でも、楽しく生きていける人間が必要な時代になってきました。だから、子どもたちに違う毎日を用意しましょう。思いがけないことが起こる毎日で、悩んだり、楽しんだり、お腹なかをすかせたり、食べすぎたり、トイレのないところに行ったり、ベッドがないところで寝たり……。そうすれば、自然に適応力が育つのです。

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親が変化のある毎日を工夫する

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