1. PHPオンライン
  2. 仕事
  3. 「どうせ自粛生活なら勉強を」の決意を三日坊主に終わらせない方法

仕事

「どうせ自粛生活なら勉強を」の決意を三日坊主に終わらせない方法

碇ともみ(キャリアコンサルタント)

2020年05月04日 公開 2020年05月04日 更新

「どうせ自粛生活なら勉強を」の決意を三日坊主に終わらせない方法

新型コロナウイルスの影響で、自粛生活が求められる昨今。外出がしたくてもできない状況の中、「どうせならば何か始めたい」「時間に余裕がある今、スキルアップしたい」という前向きなビジネスパーソンも多い。

しかしその反面、いざ何か着手してみようとすると、何から手を付けたらよいかわからず、一向に具体的なアクションを起こせずにいるという人も少なくない。

キャリアコンサルタントとして、大学やビジネススクールで教鞭をとる碇ともみ氏は、緻密な計画や目標設定が、かえって学習を思いとどまらせる一因になることがあるという。

せっかく湧き上がってきたやる気を、具体的な行動へと直結させ、スキルアップを実現させるためにはどうすればよいのか? 自身も仕事、家事、育児を行いながら14の資格取得を実現させてきたという碇氏に、その具体的な解決策を聞いた。

※本稿は碇ともみ著『超多忙な社会人でも実践できる スマート勉強法』(PHPエディターズ・グループ)より一部抜粋・編集したものです。

 

学ぶ意欲があっても実際に行動に起こせる人は半数以下

“学ぶ必要性がある”と思ってはいるが、その場所・方法を模索しているだけで終わってしまう――。勉強を始めようと思っていても、実際に行動に起こすのはなかなか難しいというのが、社会人学習の現状です。

厚生労働省の平成30年度「能力開発基本調査」によると、実際に自己啓発を行った者は正社員で44.6%、正社員以外でも18.9%という結果となりました。

学ぶ意欲があっても実際の勉強に至らない原因は、正社員、非正社員ともに「仕事が忙しくて自己啓発の余裕がない」が最も多く、次に正社員では「費用がかかりすぎる」、非正社員では「家事・育児が忙しくて自己啓発の余裕がない」との報告があり、時間と費用がネックになっていることが分かりました。

自己啓発をしている人が半分にも満たないということは、言い換えると今すぐに勉強に取り組めば、他者より優位に立つことが容易である、ということです。自粛生活でいつもより時間に余裕があるという人も多いこの時期は、人と差をつけるチャンスといえるでしょう。

それでも何から手を付けたらよいかわからないという人は、行動をためらわせている何らかの要因があるのかもしれません。以下に行動を阻害させがちな要因と、それらを解消するための5つの具体策を上げていきます。

 

【その1】大きな目標が足踏みさせる原因に。目標は小さく持つ

「夢を持ちなさい」「目標を立てなさい」という教育を、幼少期から受けてきたという人は少なくありません。夢や目標を常に持つべきだという固定観念に支配されている人は多いように思います。しかし、大きな夢と目標があることが、かえって学習を思いとどまらせる一因になっていることもあります。

社会人になると、仕事、家庭、自分の置かれている環境など、多方面にわたり考えなければならない項目が多くなります。自らの夢や大きな目標は、時として自分の許容範囲を超えてしまい、行動を阻害する要因となってしまいます。

夢や目標を自ら設定し、それをやり抜くことは、素晴らしいと思いますが、大多数の人は、あまりにも大きすぎる夢や目標を前に、何から手をつけたらよいか分からず、結局立ち止まってしまっているのではないかと感じます。

大きな夢や大きな目標を持つことで身動きが取れなくなってしまうくらいならば、今から少しだけ先に進む小さな目標を決める「スモールステップ方式」がおすすめです。自分への縛りがなくなり、一歩を踏み出せるようになります。

 

【その2】学ぶ目的は仕事だけじゃない。自分の「やりたいこと」を優先して目標を決める

社会人が学ぶ目的は、昇進など上位職を目指すということだけではありません。「豊かな人生」を送るための一つの手段でもあります。

何から手を付けたらよいかわからないときは、自分が楽しんでできそうなものから少しずつ挑戦してみてください。例えば、趣味に関する資格の勉強をしたり、eラーニングや通信講座のようにスキマ時間で受講できるものもあります。勉強はきっかけが大切で、はじめから生活からかけ離れたものを選んでしまうと、あとが続かなくなってしまいます。

私の場合、子育てをしているころに、子供に非常事態が起きたときに助けられるよう日赤救急法の講座を取得しました。また、当時のCAの仕事でも家庭でも役に立つかもしれないという発想から、食生活アドバイザー®やコーヒー&ティーアドバイザーを取得し、それらの知識は今でも重宝しています。

1日1時間でも、自己啓発に時間を割くことができれば、1週間で7時間、1カ月で31時間と、膨大な時間がつくれます。生活に身近なことから「とりあえずやってみる」という気持ちでいることで、行動に移すハードルを下げることが可能です。

次のページ
【その3】「合格」するまでやらなくていい。期間限定で気楽に取り組む

関連記事

×