佐々木俊尚 ヴァーチャルの進化が企業にもたらす変革とは

「VR」は我々の仕事や生活にどんな影響を与えうるのか。テクノロジーについて豊富な知見を持つ作家・ジャーナリストの佐々木俊尚氏にうかがった。
2020年06月10日 公開
《テレワークの普及により、Zoomなどのテレビ会議ソフトウェアが一気に注目されるようになりました。
しかし、テレビ会議が便利であることは間違いありませんが、職場で行っていた会議のやり方を変えずに、そのままビデオ会議するなど、働き方自体を見直すことなくテレワークを導入しても成功しません。
テレワークで働くマーケティングコンサルタントの福山誠一郎氏は「同僚の顔が見えないテレワークでは、タスク管理が鍵を握る」と指摘する》
※本稿は、福山誠一郎著「すごいテレワーク アイデア&成果を2倍にする方法」(PHP研究所)を元に書き下ろしたものです。
テレワークでストレスを抱えている人の話を聞くと、「ビデオ会議ソフトウェアが使いにくい」、「通信速度が遅い」、「うちの会社はIT環境が不十分だ」など、ツールやインフラに関する不満を口にすることが多くあります。
また、テレワークを導入する前に、テレワーク環境を構築することで議論が止まり、本格的な導入に踏み切れない企業もあります。
一方、テレワークで成果を出している人は、「会議や無駄な会話が減るから効率的だ」、「LINEだけで仕事ができる」とビデオ会議ありきの話をあまりしません。
成功している人に共通することは、タスク管理ができていることです。自分が何をすべきか管理できているため、自宅であってもオフィスと変わらず仕事ができます。通勤時間や不要な会議に出ることも少なくなり、ワークライフバランスを充実させています。
一方、テレワークの不満を口にする方の多くは、会社では、会議に出席する、同僚と雑談する、あるいは、取引先に行くことなどで時間を費やすことができたが、テレワークでは、自分が何をすべきかを見失っているように見えます。
こうした方々は、成果を出すための仕事の段取りが出来ていない、つまり、タスク管理ができていないのです。
タスク管理を簡単に説明すると、仕事を担当者に割り当て、納期や品質、費用が計画通りに進むよう管理することです。
個人としてタスク管理ができていないことに加えて、組織としてタスク管理ができていないままテレワークを実施すると混乱を招く原因となります。
進捗の遅れ、仕事のモレや手戻り、何をしているか分からない社員が増えるなど組織全体としてもマイナスになります。また、各々の担当者がやるべき成果物を明確にしておかなければ、仕事をする人としない人が明確に分かれるという不公平な状況にも陥ります。
テレワークを導入することは、タスク管理を見直す良い機会なのではないでしょうか。テレワークでは、仕事をしているつもりが通用しなくなります。導入した当初は、不安を抱く社員の方も出るかもしれません。
しかし、上司が各担当に仕事を明確に割り当てることで、社員の不安も解消するのではないでしょうか?部下から連絡が来なくなったと悩む上司も、タスク管理を通じて部下に適切に仕事を割り振り、安心感を与えることで、部下からの信頼も得られるようになります。
今までは、一部の人が沢山働き、なんとなく在籍している社員が多くいるという課題を抱えていた企業も、テレワークを機にタスク管理を見直すことで、不公平感をなくし、生産性を高めることができるのではないでしょうか。
タスク管理能力は、社会人の基本です。逆境の中でこそ、社員のマネジメントスキルを高めていきましょう!
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2020年はまさに「コロナ」に振り回された年だった。多くの企業が危機に陥り、厳しい状況は今も続いている。だが、経営コンサルタントとして数多くの企業を指導している小宮一慶氏によれば、この厳しい状況を飛躍のバネとしている企業も多いという。
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