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「恋人ほしさに」ダイエット依存…女性を悪循環から救った“10分間の習慣”

アンディ・プディコム(臨床瞑想コンサルタント)、訳:満園真木

2020年09月20日 公開 2023年01月11日 更新

「恋人ほしさに」ダイエット依存…女性を悪循環から救った“10分間の習慣”

世界の経済をも牽引する多くのリーダーや企業からも注目を集める「マインドフルネス」。瞑想などを通して、生き方や考え方を整えていく実践的な方法論である。

マイクロソフトの創業者であるビル・ゲイツ氏も、妻のメリンダ氏とともに「瞑想にはまっている」と語り、自身が懐疑的だった瞑想への信頼を深めたきっかけが、チベットの僧侶であるアンディ・プディコム氏の教えにあるという。

プディコム氏は、イギリスで瞑想普及のためのクリニック<ヘッドスペース>を開設するなど瞑想の普及のために活動を続けている。本稿ではその著書の邦訳版である『頭を「からっぽ」にするレッスン』より、そのエッセンスを紹介する。

※本稿はアンディ・プディコム著『頭を「からっぽ」にするレッスン 10分間瞑想でマインドフルに生きる』(辰巳出版)より一部抜粋・編集したものです。

 

ダイエットがやめられない…

24歳のエイミーは幼い娘をもつシングルマザーです。彼女は様々な健康上の問題を抱えていて、医師のすすめでクリニックにやってきました。彼女は低体重で、生理も止まり、髪が抜け落ちるようになっていました。

しっかりした女性でしたが、大きな心労を抱えているようでした。ひとりで娘を育てる苦労に加え、恋人がほしいのに誰もシングルマザーには見向きしてくれないと悩んでいました。

体型へのこだわりがとても強く、一日に一度の運動を欠かさず、量の面でも栄養面でもとても十分とは言えない食事しかとらず、自分自身に対する見方は明らかに不健全でした。

私はエイミーの手が荒れているのに気づきました。湿疹かと思って聞いてみると、ストレスがたまった時にはひたすら手を洗う癖があって、こすりすぎて腫れてしまったのだと彼女は言いました。

それはしょっちゅうやっているのか、と私は尋ねました。すると、何か公共のものに触るたびにやっているといいます。あまりいいことでないのはわかっているけれど、ストレスがたまった時だけしかしていない、と彼女は言いました。

そして、もっと大きな問題は、髪が抜け落ちることと、突然生理が止まってしまったことだと言いました。そこで、医者にも行くことを約束させたうえで、私たちは週に一度、クリニックで会うことにしました。

 

心はコントロールできないことを知る

多くの点で、エイミーの几帳面なところは瞑想をはじめた時には役立ち、彼女が瞑想をさぼることはほとんどありませんでした。けれども、座ることと、正しい心の状態でそれにのぞむことは別問題です。

エイミーはかなり自己批判的で、ただ座って、なんの評価もさしはさまずに思考を観察するのは大変でした。彼女いわく、思考のほとんどは瞑想そのものに関することで、ほとんど瞑想の実況中継のようだといいます。

エイミーは考えることについて考えるというパターンに陥ってしまっていて、それは心を落ち着けるためにいいことではありません。彼女はまた、ずっと自分を「矯正」しようとしていて、彼女の思う瞑想時のあるべき心の状態をつくりだそうとしているようでした。

瞑想をしたことのない人には、それが逆効果だと言われてもなお、このようなアプローチをしようとする人がいるのは妙に思えるかもしれません。しかし、習性というのはとても強いもので、それと違う方法でやれと言われたにもかかわらず、そうせずにはいられないことがあるのです。

これが瞑想のおもしろい点です。瞑想には、自分とまわりの世界とのかかわり方が反映されるのです。したがって、エイミーの瞑想体験は、彼女の人生に対する姿勢を映していたにすぎません。

そしてこのようなアプローチにもかかわらず、彼女は自分が今のような生き方をしている理由について、重要なことを悟りました。自分に自尊心が欠けていることに気づき、学校で教えている10歳以上も年下の少女たちと自分を身体的に比べる傾向があることに気づいたのです。

また、自分の中に強い思考パターンが存在し、それによって強迫的な行動へと駆り立てられていることにも気づきました。私たちは、おもに自分自身へのやさしさと思いやりを育てるためのテクニックを実践しました。

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瞑想で得られる「もう一つの視点」

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