部屋が片付かない原因…今すぐ「“積ん読”を3分の1まで減らす」心理術
2020年10月16日 公開 2024年12月16日 更新
本を買ったはいいものの読むスピードが追い付かず、いわゆる「積ん読」になってしまっている方が多いのではないだろうか。読まなければいけない…と片付けることもできずに部屋の片隅に積み上がっているあの本たち。
自身も積ん読に悩んでいたという『理系読書』著者の犬塚壮志氏は、あるやり方で積読を1/3まで減らしたという。いったいどんな方法を使ったのだろうか。
※本稿は犬塚壮志著『理系読書』(ダイヤモンド社刊)より一部抜粋・編集したものです
本を買ったはいいが、積ん読でいいのだろうか
「本を買ったけれど、読まないで、積んだまま……。しかも、その山がどんどん高くなってる……。」
いわゆる「積ん読」で悩んでいる方は多いかもしれませんね。勉強熱心な方であればあるほど、本を買ったはいいものの、なかなか時間が取れず、いつの間にか本が山になって「積ん読」が完成してしまっている。
真面目な人ほど、その山を見て自己嫌悪になってしまったり、コンプレックスまで感じている方もいるかもしれません。自分を抑制できず、ついあれこれと買ってしまうことがあるのではないでしょうか。
そのうちに、読むスピードよりも買うスピードのほうが速くなり、結果、積ん読になってしまうことも……。しかし、基本的に積ん読になったからといって、それを気にしたり自己嫌悪に陥ったりする必要はありません。
読む本には優先順位がありますし、買った後にその優先順位が変わることはよくあります。それに、本を選んで買うことは、それ自体がワクワクして楽しい行為ですよね。ここで大事なことは、「読書をやめないこと」。本から何かを学ぶ活動をやめなければ、それでいいのです。
「いや、そうは言っても、積まれた本の山を見ると、それが心の重りに感じてしまって……」
「せっかく買った本なのに読まないのはもったいない……」
もし、こういったストレスを感じてしまっているのなら、1つ提案です。
「元を取り返す心理」を利用する
買った本の内容をアウトプットするまでは新しい本は買わないと自分に課してみるのです。新しい本は、アウトプットを終えたご褒美にするのです。それでも積ん読が減らない方には、次のような方法もありです。
本を買ったその日のうちに、著者のプロフィールや目次をざっと読んで、自分の興味関心が高い見出しにペンでチェックします。この作業を、スクリーニングといいます。
そして、チェックした見出しの該当ページに飛び、そこに付箋をつけたり、ページを折ったりするなどマーキングをします。ペンで印をつけることで、返品できなくなり、古本屋にも買い取ってもらいにくくなります。
「だから読まなければ」「読んで元を取らなければ」という意識も生まれます。これを心理学的に、「サンクコスト(埋没費用)効果」といいます。
サンクコスト効果とは、すでに使って回収が不可能となったお金や時間を惜しんでその行為を継続したり、場合によっては、誤った意思決定をしてしまったりすることです。これを積ん読解消に利用するのです。
“本を常に意識する”工夫も効果アリ!
また、積ん読の山からピンクや黄色の付せんが飛び出して見えると、かなり目立ちます。私はそれを、あえて玄関先やベッドの脇などに置いておきます。
本が私に「ここおいしいから、読んで!」と、視覚的に訴えかけるようにしておくのです。すると、出かけるときについついカバンの中に本を入れることになります。その結果、いつも2冊ほど持ち歩いています。
本をカバンに2冊も入れておくと、結構な重みを感じます。それにより「こんな重たい思いをしているんだから、読まないと損だ!」と、自分を動機づけることもできます。
ここでも、「サンクコスト効果」を働かせるわけです。シンプルではありますが、私はこの方法で、積ん読の山の高さを1/3にすることができました。
残念ながら本が大好きで、どうしても山の高さはゼロにはなっていませ
んが、かなり効果はあります。ぜひ今回ご紹介した方法を試してみて、積ん読の解消にチャレンジしてみてください。