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コロナで封じられた「名刺交換」 失って分かった“3つのメリット”

高嶋大介(INTO THE FABRIC 代表理事)

2021年01月08日 公開 2022年10月25日 更新

高嶋大介

改めて「名刺交換」のメリットとは

新型コロナウイルスの影響で、商談のオンライン化も進んでいます。商談がオンラインに移行したことで起きるのが、「名刺が渡せない」という問題。

問題になるということは、名刺交換に一定のメリットがあったことはいうまでもありません。しかし、この名刺交換ができない状況が出てきたことで、より自己紹介の重要性が増してきているのです。

ここで改めて名刺交換が持つメリットについて整理してみましょう。大きく分けて以下の3つに分類できるかと思います。

【名刺交換のメリット】
1.名前や連絡先のアーカイブ
2.信用の担保
3.自己紹介の効率化

 

メリット1:名前や連絡先のアーカイブ

名刺には打ち合わせ後のアーカイブ効果があります。たとえば、以前打ち合わせをしたときにはすぐに連絡をとる必要はなくても、しばらく経ってから担当者に連絡をとりたいということもあるでしょう。

そんなとき、その担当者の名刺さえすぐに手元で用意できれば、即座に電話やメールでコンタクトをとることができます。

他にも、最近では会社全体として顧客の名刺データを管理して、新規顧客開拓に活かすシステムも登場しています。要するに、名刺には見込み顧客リストとしての価値があるのです。

 

メリット2:信用の担保

他にも名刺の絶対的機能といえるのが、会社名や肩書きによって相手を安心させるという意味での「信用の担保」です。

わかりやすい例でいうと、今まで全く取引のない企業の担当者と相対する場合に、相手の名刺に見覚えのあるマークや企業ロゴがあったりすると、一気に安心すると思います。

たとえば、大企業グループのマークを配することで子会社であることを明示したり、東京証券取引所に上場している証となる東証ロゴマークを記載したりといった具合です。

これらの情報は口で説明すると少々いやらしいですし、かといって事前に会社ホームページを見てもらうのも難しいでしょう。だからこそ、自然に自分が取引先として信用に足る存在であることをアピールできる効果があります。

なお、これは会社員に限らずフリーランスの方にも当てはめられます。たとえば、これまでのお仕事実績や取引先企業の一覧を掲載しておく、などの方法があります。

 

メリット3:自己紹介の効率化

これは「2.信用の担保」とも一部重複しますが、名刺にはその場の自己紹介では伝えきれない情報を補完するという役割があります。

前述のとおり口頭で説明するといやらしく感じることに加えて、口から発する音声情報と同時に文字や絵といった視覚情報を伝えることができます。

たとえば、大事なプレゼンのときには、ただ口頭だけでしゃべるのではなくプレゼン資料を用意するのが大半かと思います。自己紹介のときもこれと同じで、視覚的な情報を付加することで自己紹介をより効率化しているのです。

このように名刺交換にもさまざまなメリットがあります。しかし、既におわかりだと思いますが、そもそも私たちはビジネスシーンで自己紹介をしていないのです。

先に説明した定義に照らせば、名刺は会社での役割を説明しているにすぎません。つまり、会社員としての自分はあくまで1つの側面でしかないのです。

これからのウィズコロナ時代では、名刺交換の力に頼らず本当の意味での自己紹介をする必要があります。

 

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