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2016年連載開始の『鬼滅の刃』が、なぜ「2020年の社会現象」になったのか?

小新井涼(アニメコラムニスト)

2021年01月12日 公開 2021年07月21日 更新

 

あくまで人気の“爆発”はアニメ放送以降

ではそれにもかかわらず、どうしてこの『鬼滅の刃』ブームは2019年以降のことばかりが取り沙汰されるのかというと、それはその時期からの本作にまつわるあらゆる数字の伸び率が、それ以前と比べて飛びぬけすぎているからです。

簡単にその変遷を辿ってみましょう。

アニメの放送が始まった2019年の4月以降、まず検索数や累計発行部数が徐々に伸び始め、あわせてTwitterでも関連ワードがトレンド入りをする機会が増えていきます。

その後アニメの放送終了後は、年末にかけて特に原作の累計発行部数が急増、2020年の年明けから5月の原作完結にかけてもさらに部数を伸ばしつつ、各種報道や雑誌・新聞といった紙媒体での露出機会も増えていきました。

こうした流れやデータを鑑みると、確かにアニメ放送以前から既に一定の人気はあったものの、やはり現在認識されている『鬼滅の刃』ブーム――累計発行部数の爆発的な伸びや世間的な認知度の急上昇など――というものは、一般的な認識通り、2019年以降、特にアニメの放送が開始された2019年4月以降に起きたものであるといえそうです。

検索数や累計発行部数の急増、SNSなどでの盛り上がりをみるに、2019年4月から放送を開始した本作のアニメが、現在に至るまでの『鬼滅の刃』ブームの“火付け役”となったことはまず間違いないでしょう。

しかしデータの推移をみてみると、2019年4月6日の放送開始と同時に一気に火が付いた……という訳でもなさそうです。アニメ放送開始以降、一体どこでどのように、本作のブームに火がついていったのでしょうか。

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