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2016年連載開始の『鬼滅の刃』が、なぜ「2020年の社会現象」になったのか?



2021年01月12日 公開

小新井涼(アニメコラムニスト)

 

火が付いたタイミングはアニメ放送開始“直後”ではない?

そもそも本作のアニメ第1話が最初に公開されたのは、テレビ放送が開始される4月6日よりも以前のことでした。

アニメ第1話から第5話までが、特別先行上映版『鬼滅の刃 兄妹の絆』として、テレビ放送に先駆け3月29日から全国の映画館で既に公開されていたのです。しかし、この時点では他作品よりも飛びぬけて話題になっているといった様子は、まだみられませんでした。

だからといって特別上映が不評だった訳ではなく、当初2週間限定上映であったこの「兄妹の絆」は、度々上映期間の延長が実施され、一部の劇場ではテレビアニメの放送が始まった後も5月上旬ごろまで上映が続くほど好評であったことは忘れてはなりません。

あくまでこの時点での盛り上がりは既に一定数存在していた原作ファンを中心としたものであり、“まだ『鬼滅の刃』を知らない人”にまで作品の評判が届きだすのは、もう少し後のことだったようです。

 

最初に火が付いたタイミングは?

アニメ放送開始後、本作関連のニュースが話題になり始めたのは、第3話放送直前の4月1920日にかけて、本作のアニメ放送が2クールであることが発表されたタイミングでした。

「鬼滅2クール」のワードはTwitterでトレンド入りし、放送が始まっていたアニメの評判も相まって「このクオリティで連続2クール!?」という驚きや喜びの声が多く挙がっていたようです。

そんな本作の盛り上がりが、元々の原作ファン以外も巻き込んで一気に加速したのを感じたのは、その後かなり話数が進んだ6月下旬のアニメ12話放送時のことでした。

放送に伴いTwitterでは「#鬼滅の刃」がトレンド入りし、回転する屋敷で繰り広げられる激しい戦闘を描いた凄まじい映像へのリアクションが、タイムラインを賑わせたのです。

中でも特筆すべきは、アニメではここで初めて明かされる善逸の戦闘スタイルへの反応でした。

そこには、既に内容を知っている原作ファンからのリアクションだけでなく、これまで情けない姿ばかりみせていた善逸が眠ることで覚醒すると強くなることへの驚きの声という、それを知らなかった=アニメから本作に入った視聴者からのリアクションが見受けられたのです。

迫力の映像で描かれた鼓屋敷での戦闘を終えた後は、仲間達との関係性を描いたほっとひと息つけるエピソードを挟んで、本編は那田蜘蛛山編へ突入。

一気に物語が盛り上がるタイミングであったことに加え、度々一挙配信が行われていたことや、放送を重ねる度に大きくなるファンからの反響も後押ししてか、この時期から話題を聞いて原作を買い始めてみたり、アニメに〝追い付いた〟という新たなファンの声が目立ち始めました。

こうして〝アニメからの新しいファン〟も取り込みつつ、徐々に大きくなってきたアニメの盛り上がりが最高潮に達したのが、第19話「ヒノカミ」の放送時です。

関連ワードが続々とトレンド入りを果たしたことは、本作の反響や盛り上がりが、4月の放送開始時点よりもかなり大きくなっていることを、応援してきたファンにも改めて認識させたのではないでしょうか。

その後は柱のキャスト発表もあったりと、ファンの熱量をさらに高め続けながらも、アニメは9月末に最終回を迎えます。しかしそこでさらに劇場版の発表が行われたことで、本作の人気や盛り上がりはアニメ放送終了後も維持されることになったのです。

 



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