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「人がすぐ辞める」チームの“リーダー”に決定的に足りないもの

船坂光弘(ホスピタリティ・コンサルタント)

2021年01月20日 公開 2024年12月16日 更新

「人がすぐ辞める」チームの“リーダー”に決定的に足りないもの

人がすぐに辞めてしまう職場と、辞めずに定着する職場。その違いは、リーダーが「あること」をしているかいないかどうかの差だという。接客・サービス業の現場リーダーを数多く見てきた船坂光弘氏に解説してもらった。

※本稿は、船坂光弘著『接客・サービス業のリーダーにとって一番大切なこと』(PHP研究所)の一部を抜粋・再編集したものです。

 

離職率の高い職場は「空気が冷たい」

最近、私が経営者から相談を受ける中で、「うちの会社は離職率が高い」「新しいスタッフを採用しても、すぐに辞めてしまう」といった離職に関する相談が増えています。

また、その相談を受けて、私がそれらの企業にうかがった際に総じて感じるのは、「離職率の高い職場は空気が冷たい」ということです。

外部の人間である私が事務所内に入って行っても、挨拶も無ければ、スタッフ同士の笑顔も会話も見られません。このような職場環境では離職率が高いのもうなずけます。

一方で、離職率が低い職場にはある共通点があります。それは職場に「ありがとう」と「笑顔」が溢れていて、職場の空気が温かいという点です。

 

気がつくと、みんな号泣していた

ある地方のトリミングサロンで、「最近、スタッフ同士がギクシャクしているのでなんとかしたい」という相談を社長から受けました。

そこで、私がインナー・ホスピタリティの研修を提案して実施した際に、メンバー同士で「お互いにありがとうを言おう」というワークをしました。これはメンバー10名が一人ひとりに「ありがとうを伝える」という、ただそれだけのワークです。

ある新人は、「〇〇先輩、いつもトリミングの技術を教えていただき、ありがとうございます!」。
あるベテランスタッフは、「〇〇ちゃん、いつも朝早く来て、店のオープンの準備をしてくれてありがとう」。
店長は、「社長、こんな私を店長にしていただき、ありがとうございます」。

普段思っている感謝の気持ちを一人ひとりの目を見ながら、心を込めて伝えていきます。すると誰からともなく泣き出し、全員が伝え終わる頃には、全員号泣していました。

私が「みんなどうしたの?」と聞くと、

新人は、「みんなの足を引っ張ってばかりいて、私はこの職場に必要ないと思っていたけど、みんなが私のことを見てくれていて嬉しい」。

店長は、「上司らしいことは何ひとつできていなくて、みんなから嫌われていると思っていたけど、私のことをこんなに想ってくれていたなんて感動した」。

ここから、このトリミングサロンは結束を固め、その年、過去最高の売上を達成しました。私はこのような経験を他企業でも何度も経験しています。

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みんな「ありがとう」に飢えている

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