1. PHPオンライン
  2. くらし
  3. 心理カウンセラーが見た「自己肯定感を味方にできる人の共通点」

くらし

心理カウンセラーが見た「自己肯定感を味方にできる人の共通点」

中島輝(心理カウンセラー)

2021年05月01日 公開 2024年12月16日 更新

中島輝

思い通りにならなくても、実はたくさんある楽しみ

もう少し、あそびについて考えてみましょう。あそびとは、自分の内側にある、まっさらで自由な空間です。そのまっさらな空間があると、自分の身に起きるすべてのことを受け入れることができます。

たとえ他者の異なる意見が飛び込んできても、思い通りに物事が進まなくてもあそびがあれば、「そういうこともあるよね」と広い心で受け入れることができるのです。

その空間は、誰の心の中にもあります。ただ、人によってその空間が大きかったり小さかったりするので、自己肯定感を高める方法を取り入れていけば、どんどん広げていくことができます。

右に行ってもいいし、左に行ってもいい、上でも下でもいいと、自由自在に変化していける姿勢が持てるようになると、人生はさらに楽しいものになっていきます。

ところで、多くの人が憧れる「ブレない自分らしさ」や「強い芯」ですが、次々に変わりゆく時代の波に乗っていくには、それらはかえって邪魔になってしまうことがあります。

明日何が起こるかわからないのに、「昨日はこれでうまくいったから、今日も絶対にこれでうまくいくに違いない!」という保証はどこにもないからです。

そればかりか「ブレない自分らしさ」に従って、うまくいった過去のやり方を貫こうとした結果、失敗してポキッと心が折れてしまう可能性だってあります。

それに、これが好き、嫌い、これが絶対いい、絶対ダメと白黒はっきりつけてしまうと、社会にたくさんある、豊かで複雑で素晴らしい「多様性」という光が見えなくなってしまいます。

自己肯定感が高く、しなやかな心を育てるために必要なのは、絶対的で強固な自分軸ではなく、風が吹けば自然と揺れる、野に咲く花のような気ままで透明感のある柔軟性です。

生まれたばかりの赤ちゃんを思い浮かべてみてください。いかなる価値観や思想にも染まらず、純粋無垢に世界を楽しんでいます。その生きる姿には、まさに柔軟性があります。

大人になるにつれ、さまざまな思い込みや決めつけによってそのしなやかさはすり減ってしまいがちですが、私にも、あなたの中にも、柔軟性は必ずあります!自己肯定感が高く、幸せに包まれているのが、私たちの本来の姿だからです。思い出してみましょう。

「生きているだけで楽しい」
「人と出会うだけで楽しい」
「何をしていても楽しい」

そんな柔軟な心は、すでにあなたの中にもあるのです。

 

「しなやかさ」はあなたの心の中に

とは言え、人生に歓迎すべきことばかりが起こるわけではありません。しなやかに受け入れようと思っても、すぽっと落とし穴にはまったかのように、一つの考えに執着して、受け入れたくても受け入れられないもどかしさに苦しむことがあります。

そんなときは自分の意思とは関係なく、人は絶えず前向きに成長し続けているんだ!ということを思い出してください。

人は、死ぬまで変容を続けています。生まれたばかりの赤ちゃんから比べれば、今の自分は成長が止まっているかのように見えるかもしれません。しかし、人は生きている限り、常に成長を続けています!

過去を振り返ってみてください。人から嫌なことを言われたとき、何とか自分で対応して、その経験を生きるエネルギーに変えてきませんでしたか?

つらいことがあっても、少しでもラクになればと、小さな工夫を重ねて乗り越えたこともあったのではないでしょうか。進んだり、休んだり、たまには後ろに下がったりしながらでも、みなさんは前を向いて一歩一歩生きてきたはずです。

それは、生きるためにしなやかに成長し続けてきたからこそできたことです。すでにあなたは、十分しなやかに生きてきたのです!これからも、その柔軟性をさらにピカピカに育てていきましょう。それだけで、日々はさらに輝きを増していきます。

次のページ
チャンスの翼はどこまでも自由に広げていい

関連記事

アクセスランキングRanking

前のスライド 次のスライド
×