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「減らす、片づける、磨く」 仏道に教わる、幸せになれる“掃除の習慣”



2021年07月14日 公開

松本紹圭(東京神谷町・光明寺僧侶、武蔵野大学客員准教授)

 

ものを減らすことで「手元に残る良いもの」

「無一物中無尽蔵(むいちもつちゅうむじんぞう)」という言葉があります。何ものにも執着せずに手放した境地に達すれば、限りない世界が広がってくるという仏教の「空(くう)」の教えです。

ものを持たない生活を心がけるようになると、良いものが手元に残ることに気づきます。人の手の掛かったものは、少しお金がかかるかもしれませんが、お金に代えられないものが宿り、長持ちします。自分にとって本当に価値ある逸品が、最後に手元に残っていくのです。

そうした良いものに出合うと、ものを大事にする心を知ります。ものを大事にする心は、大事にしたいと思えるものに出合うことから始まります。新しく何かを買い求めるときは、今のあなたが本当に必要とするものを選びましょう。また、そばに置いて、自分が自然体で、心地よくいられるものを選ぶようにしましょう。自分を知るとてもよい修行になります。

 

片づけると気がつく自分の変化

あるべきものが、あるべきところにあるべきようにして、ある。使うときに出し、使い終わったら元の場所へ戻す。当たり前で簡単なことのようで、ものの扱い、つまり、心が粗雑になっているとなかなか継続できることではありません。

あるべきものをあるべきように配置するためには、ものが収まるべきところ、その〈空間〉のこともよく知っていなくてはなりません。毎日丁寧な掃除を重ねていると、まるでその部屋(空間)が自分の一部であるかのように感じるようになります。

掃除を通して、ものや空間と向き合い、一体になる。それがものの本質を見抜くということかもしれません。

本質を見抜き、空間を知り抜いた先には、ものがどこに収まりたがっているのか、ものの「声」がわかってくるようにもなるのです。

 

磨くことで「身につくもの」

よく手入れをされたお寺に行くと、どれほど歩きまわっても足袋の裏は真っ白なまま。美しく保たれた床に、さらに磨きをかけるのがお坊さんの修行です。

掃除は、自分の心の掃除です。身体の中に埃が溜まり、心の気が乱れてくる。それがそのまま、部屋の汚れとなって現れます。床やものを磨くことは、そんなふうに、心の状態を世界に映して確認できるのと同時に、環境を磨き整えることで、しかるべき本来のところへ心を納めるという作法も身に付きます。

磨き上げたと思った瞬間から汚れが積もり始めるのは、心も同じ。過去への執着や未来への不安を手放し、今というこの瞬間に集中する修行のような気持ちで掃除を行ないましょう。心を映す鏡を磨くような気持ちで、床磨きをされてみてはいかがでしょうか。

 



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