1. PHPオンライン
  2. くらし
  3. 夫に「早期退職したい」と言われた専業主婦が直面した“金銭的な現実”

くらし

夫に「早期退職したい」と言われた専業主婦が直面した“金銭的な現実”

神田理絵(K&K FPオフィス代表)

2021年07月28日 公開 2024年01月16日 更新

 

夫の退職後に進めたい手続き

夫の退職後に進めたい手続きを、優先順に紹介します。

(1)雇用保険(いわゆる失業手当)
まず、ハローワークで「失業手当」の手続きを夫にしてもらいます。会社都合の場合でも、給付金が受け取れるのは手続きしてから約1カ月後で、自己都合の場合は2カ月の給付制限など諸々あるので、約3カ月後になります。

(2)健康保険
退職後の健康保険は、次の3パターンがあります。

[1] これまで加入していた健康保険を継続する
(退職日から20日以内に申請が必要、最長で2年間利用できる)
[2] 国民健康保険に切り替える
(原則は退職の翌日から14日以内)
[3]両親や配偶者など家族の扶養に入る

もし、この3つから選べる状況であれば、経済的には[3]がもっともおトク。お子さんの健康保険の手続きも忘れずに。[1]は会社負担がなくなるため、保険料は倍に増えます。[2]は夫の年収によって保険料が違うため、自治体のホームページなどで計算方法を確認しましょう。

(3)公的年金
退職後は厚生年金から国民年金に切り替える手続きをします。国民年金は、その立場によって3つの名称があります。

[1]第一号被保険者
国民年金のみに加入している人(自営業、学生、無職の人)
[2]第二号被保険者
国民年金に加え、厚生年金や共済組合に加入している人(会社員や公務員)
[3]第三号被保険者
[2]の人に扶養されている年収130万円未満の配偶者(保険料を納めなくても国民年金保険の被保険者になる)

仮に、夫が[1]の場合、保険料は月額1万6610円(令和3年度)です。夫が[2]→[1]となる変更手続きをしたとしても、妻の[3]→[1]への変更手続きを忘れる場合があるので注意しましょう。

(4)所得税や住民税
支払いが必要な場合は税務署や自治体から納付書が送られてくるので、みずから手続きをしなくても大丈夫です。しかし、これらの支出があるという心積もりはしておきたいところです。

 

関連記事

アクセスランキングRanking

前のスライド 次のスライド
×