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肥料になるなら栄養がある? NASAも本気で研究をする「うんこの宇宙食」

石川幹人(明治大学教授)

2021年10月08日 公開 2022年03月07日 更新

肥料になるなら栄養がある? NASAも本気で研究をする「うんこの宇宙食」

「なぜ穴を見るとのぞきたくなるの?」「普通って誰が決めるの?」「怖い夢をみないようにはできないの?」――子どものころ、こんな疑問を持ったことはないでしょうか。

その疑問、学者が本気で回答します!明治大学教授で認知心理学、進化心理学の第一人者の石川幹人氏が実際の小学校6年生まで子どもたち、または大人が子どもだったころに抱いていてた疑問・難問に全力でお答えました。

本記事は『なぜ、穴を見つけるとのぞきたくなるの?』(朝日新聞出版)からの一部抜粋です。

 

うんこは肥料になるのに栄養はないの?

じつは、まだ栄養が残っているから、食べるための研究が進んでいます。じっさい、100年ほど前までは「肥溜だめ」といって人間の糞尿(うんこやおしっこ)を穴にためておいて、それを畑にまいて肥料にしていました。糞尿は、よい作物を育てるための貴重な栄養源だったのです。

子どもの頃に私は、畑の脇を抜けて小学校に通いましたが、通学路周辺に昔使われていた肥溜がいくつもあり、近づくと、あの何なんとも言えない「うんこのにおい」がしました。でもうんこを肥料にするのは、衛生面で大きな問題があります。

確かに肥料の効果はあるものの、うんこの中には寄生虫や病原体がいることもあるのです。人間は有害なものを、残った食べものとともに体から出そうとするため、うんこに寄生虫や病原体が混じるのです。それを畑にまくと、収穫した野菜などに寄生虫の卵などが付着して、また人の口に入り、寄生虫が広がってしまいます。

 

うんこを嫌な臭いに感じる生理的な理由

うんこが「くさい」と感じるのは、そうした危険なものを本能的に遠ざけるように人間ができているからです。糞尿を肥料に使かっていた時代、コレラや赤痢などの伝染病が流行りましたが、それらはうんこを介して感染しています。

トイレに入ったらかならず手を洗いなさい、と言うのはこのためなのです。なお、化学肥料が使われるようになると肥溜めは少なくなり、世界中の衛生状態が飛躍的に改善しました。つまり、うんこを食べるには、寄生虫や病原菌などの問題に対処しないとなりません。そういった寄生虫や菌を撲滅する方法はないのでしょうか?

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うんこを再利用する可能性?

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