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便秘解消、ダイエットにも...研究で見えた「1日3杯のコーヒー」がもたらす健康効果

安中千絵(管理栄養士/フードディレクター)

2021年11月26日 公開 2022年11月14日 更新

 

コーヒーで日常に潜む病気を予防!

いくらコーヒーが身体によいといっても、毎日コーヒーを飲むことに抵抗を感じる方もいるでしょう。ですが、どうやらコーヒーは毎日飲んだほうがいいようです。

アメリカ国立衛生研究所が大規模に行なった研究によると、コーヒーを飲む習慣のある人は、あらゆる死因で死亡率が低くなっていることがわかりました。

日本における研究においても、全死亡率は男女ともに、コーヒーを飲んでいた人のほうが2割ほど低下しているのです。

クロロゲン酸にも血糖値の上昇を抑制する効果があります。また、コーヒー豆を焙煎することによって増えるビタミン・ニコチン酸には、糖質代謝促進効果や、糖尿病発症との関わりがある中性脂肪を低下させる効果があります。

さらに、コーヒーを飲んでいる人には、善玉ホルモンのアディポネクチンが多いことが報告されています。アディポネクチンはインスリンの感受性を高めるため、これが糖尿病予防になっているとも考えられます。

・糖尿病が防げる

お伝えした通り、カフェインには基礎代謝を活発にさせ、脂肪を燃焼する効果があります。これが糖尿病予防につながる主な理由と考えられています。

・肝機能が改善する

コーヒーの健康効果の中で、とくに認められているのが、肝臓への効果です。コーヒーには肝機能をよくする働きがあるのです。アルコール摂取量が多い人でも、コーヒーを多く飲む人のほうが、肝機能検査値が低いことも分かっています。他のカフェイン飲料ではみられない傾向なので、カフェイン以外の成分の効能だと考えられています。

・うつ病が減る!?

日本ではうつ病が増えていますが、コーヒーをよく飲んだほうが、その発症率は減少するという研究報告があります。カフェインレスコーヒーには関連が認められなかったため、カフェイン摂取量が関係しているようです。うつ病で低下がみられるセロトニンやドーパミン、ノルアドレナリンなどの脳内物質の分泌を促しているようです。

・がんの発症率が低下

コーヒーとがんの関係には多くの研究がありますが、コーヒーのがん予防効果の中で最も認められているのが肝臓がんです。そのほかにも、日本人男性に増えている前立腺がん、女性に増えている子宮体がんや乳がん、さらには大腸がん、口腔・咽頭がん、食道がんにも、多くの研究結果から予防効果があると考えられます。

・認知症リスクが低下する

認知症には数種類ありますが、日本人が多く発症するのはアルツハイマー病と脳血管性認知症です。海外の研究では、毎日コーヒーを3~5杯飲むグループは、アルツハイマー病リスクが低いことが明らかになりました。さらに、脳血管性認知症は脳卒中が原因で起こるのですが、コーヒーを飲むことで脳卒中が減ることが報告されています。

 

健康に効くコーヒーの選び方・淹れ方

コーヒーには豆の種類がたくさんあり、焙煎方法や挽き方、淹れ方もさまざまです。健康に効果的なコーヒーを簡単にご紹介しましょう。

1.焙煎方法

コーヒー豆は浅煎り、中煎り、深煎りまで8段階に分類されています。浅煎りはクロロゲン酸やトリゴネリン(血管機能改善成分)を多く含みます。深煎りは焙煎することによって増えるニコチン酸を多く含んでいます。

※カフェイン量は、焙煎ではあまり変わりません。健康のためには、浅煎りと深入りをバランスよく飲むといいでしょう。

2.豆の種類

日本では、アラビカ種とロブスタ種が主に流通しています。アラビカ種は風味がよく、コーヒーショップなどで売られている豆は、ほぼアラビカ種です。

ロブスタ種はクロロゲン酸が多く含まれており、アラビカ種に比べて味が劣るため、レギュラーコーヒーやインスタントコーヒーなどの増量材として使われています。

3.挽き方

挽き方には5種類(極細挽き、細挽き、中細挽き、中挽き、粗挽き)あります。バランスよく成分が抽出できる中挽きがおすすめです。

4.淹れ方

コーヒーにはジテルペン類という物質が入っています。これはコレステロール値を上昇させる健康に好ましくない成分です。それを除去するため、ペーパーフィルターを使ってコーヒーを淹れるようにしましょう。

・缶コーヒーでもOK?

日本の研究ではコーヒー摂取量に缶コーヒーも合算して結果を出しているので、缶コーヒーにもコーヒー効果はあると思われます。ただし、砂糖の入っている缶コーヒーは、ダイエットにも健康にもNGです。

・カフェインの摂りすぎはNG

カフェインには多くの効能がありますが、どんな食品成分も摂りすぎると害になります。海外での報告や健康への影響を考えると、コーヒー換算で1日4杯程度までが安全な量と言えそうです。

 

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