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1960年代まで腸の病気は少なかった? 当時ほとんどの人が食べていた“意外な食品”

松生恒夫(松生クリニック院長、医学博士)

2021年12月16日 公開 2022年03月09日 更新

1960年代まで腸の病気は少なかった? 当時ほとんどの人が食べていた“意外な食品”

近年、便秘で悩む人が増加傾向で、大腸がんはがんによる日本人の死亡数の常に上位になっている。しかし「ヨーグルトの乳酸菌を摂って、腸内細菌のバランスを整えておけば、腸内環境はよくなる」と安易に思い込んでいないだろうか。

これまで5万件以上の大腸内視鏡検査をおこない、日本人の腸を見続けてきた松生恒夫医師が腸内環境のためにぜひ摂ってほしい意外な食材を紹介する。

※本稿は松生恒夫著『健康の9割は腸内環境で決まる』(PHP新書)より一部抜粋・編集したものです。

 

麦ご飯の時代、大腸がんは少なかった

2000年前後に私は、大麦に含まれるβ-グルカンという食物繊維が腸の病気に有効であることを確認していました。

このβ-グルカンは、同じイネ科植物でも、米にはほとんど含有されず、麦類に特徴的に含有されている成分です。大麦に含有されるβ-グルカン量は、品種や栽培条件によって異なりますが、一般的には3〜7パーセントとされています。

大麦は、米と比較して食物繊維が多いことが知られており、特に水に溶ける水溶性食物繊維のβ-グルカンが多いのです。水溶性食物繊維は、小腸で脂質や糖質の吸収をブロックすることで有名です。

戦後しばらくは、日本での主食はひきわり飯(米6〜7:大麦4〜3)でした。その頃は大腸がん、便秘、糖尿病などが、現在と比較して少なかったのです。大麦は、米、トウモロコシに次ぎ、世界の穀物の生産量で第4位の作物です。大麦は小麦や米、トウモロコシと同じイネ科の穀物で、「はだか麦」と「皮麦」に大別されます。

穀物として食されるのは、はだか麦のほうで、米にうるち米ともち米があるのと同様、はだか麦も「うるち性」と「もち性」のものがあります。うるち性の大麦のうち、もっとも一般的なものが「押し麦」です。よく麦とろご飯に使用されていますが、少々パサついて食べづらい印象を持たれがちです。

これに対し、もち性の大麦が「もち麦」で、もちもちとした食感からおいしいと評判です。この差はデンプンの構成内容によるもので、もち麦のデンプンは、粘性が強いアミロペクチンが主体となって構成されています。さらに最近ではスーパー大麦(オーストラリア産バーリーマックス)も開発され、発売されています。

 

主なはだか麦の種類

1.押し麦(うるち性)
麦めしでお馴染みの大麦。うるち性の大麦の中でもっとも一般的なもので、麦とろご飯によく使用されています。水を吸収しにくい大麦を蒸気で加熱してやわらかくし、ローラーで平らにすることで食べやすく加工。平らにしたあと乾燥させ、冷却しています。

2.胚芽押し麦(うるち性)
栄養価の高い胚芽を残した押し麦の一種です。精麦段階で削り落とされる「胚芽」を残して、押し麦と同様の加工を施したもの。胚芽には不飽和脂肪酸やビタミンB1、ビタミンEが豊富なため、栄養価は高くなります。ただし、ニオイやクセが比較的強く出ます。

3.丸麦(うるち性)
熱処理をしていないので、麦本来の風味を味わえます。外皮を取り除き、まわりを削っただけの丸い形状をした大麦。消化の面では押し麦に軍配が上がりますが、熱処理もローラーによる圧縮もしていないので、麦が持つ本来の風味を堪能することができます。

4.米粒麦(うるち性)
うるち性の大麦の中では、食べやすさナンバーワン。大麦に特徴的な真ん中のスジ(黒条線)に沿って半分に切断し、お米の形に似せて加工された大麦。比重もお米に近くなるようにしてあるため、お米に混ぜて炊いても抵抗がなく、大麦特有の食べにくさが軽減されています。

5.もち麦(もち性)
水溶性食物繊維が多く、もちもちとした食感の大麦で、今ブームになっている食材です。アミロペクチンという、粘性が高いデンプンの割合が多いもち性の大麦で、もちもち、プチプチした食感が特徴です。水溶性食物繊維のβ-グルカンが特に豊富に含まれていて、腸内環境を整え、またダイエット効果が高いとされています。このもち麦が、おいしくてダイエット効果もあるということで注目を浴びたのです。

6.スーパー大麦(もち性)
もち麦と同様、食物繊維が多く(100グラム中23.3グラム)、水溶性食物繊維も6.8グラム前後含有しています。スーパー大麦はバーリーマックスとも言います。

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スーパー大麦やもち麦ご飯のすすめ

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