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「なんで勉強せなあかんねん!」 弟の問いに中学生だった長男・菅田将暉が出した答え

2022年02月07日 公開

菅生好身(一般社団法人ライフバランス協会代表理事)

 

幼いころから大切さを伝えてきた「挨拶」

親の仕事場に連れていく中で、子どもたちの身についたことのひとつが、挨拶です。いくつになっても、きちんと挨拶ができる人は誰からも好かれます。初対面の人と会うときには相手の目をしっかり見て、「菅生家の長男、大将です」と、最初に自分がどこの誰かをはっきり伝えるということを、子どもたちにくり返し教えてきました。

人見知りするお子さんも多いですが、我が家では小学校に入る前からそうしていたため、子どもたちが大人の前でもじもじすることはありませんでした。

私は挨拶を、人間関係の基本だと思っています。幼いころから挨拶の大切さを伝えていたので、息子たちも自然と身につけていったようです。中高生ともなると親の友だちや知り合いと距離を置きたがる、という話を聞きます。

我が家には、その発想がありませんでした。家に誰かが来たら、両親が誰かといたら、挨拶は必須。私も子どもの友人が遊びにきていたり、家の外で一緒にいるところにばったり出会ったら、挨拶します。これが親から子に授けられる、人間関係の基本のキだと思います。

 

社会人の大先輩として直に学べる機会を

三男が高校生のとき、通いたい塾を選ぶよう、父親からこんなミッションが下されました。「うちから通える範囲の塾を全部調べなさい。友だちに聞くのもいいけど、必ず実際に行ってみること。そして資料をもらって、月謝も全部調べて、ここに行きたいというのが決まったら、どういう点がいいのかお父さんにプレゼンしなさい」

三男はさっそくひとつひとつをチェックし、事前に電話をしてアポイントメントを取り、すべてに足を運びました。資料をもらい、どの科目を履修するか考え、それにはいくらかかるのかを調べて一覧にしてまとめはじめました。

塾に限らず習いごとなどに対して、親が「子どものため」と思ってかけている金額を、子どもは知らないことが多いと思います。しかしそれを子ども自身が知ることで、費用対効果という言葉は知らなくとも、「これだけお金がかかるんだったら、通い続けることができて、ちゃんと成績が伸びるのを期待できるところじゃないとな」という発想になります。

父親としてはその過程が大事なのであって、三男の「ここがいいと思う」の結論は尊重され、そのまま受け入れられました。これも子どもを信頼しているからこそだと思います。最初から「自分で決めたことなら大丈夫」と思っていたのでしょう。

三男にたずねると、当時の本音も交えながらも、いまに活きていると答えてくれました。

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(三男コメント)
プレゼンのミッションは、正直イヤでした...。塾に通わなくても、自分で勉強できたら一番いいんやけど、それができないのも悔しくて。ただ、自分の希望をどうやってとおすかを考えてるときは、少し楽しかったかなまわりの友だちと違って、理由も含めて「ここに行きたい」と言わないとダメで。このおかげで何事にも意味があり、考えることが必要だということを学んだと思います。
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しかしほどなくして私は、三男から相談があると話しかけられました。「あそこの塾が自分には合うと思ってたんやけど、通いはじめたらいまひとつで……」と言うのです。自分で決めたことに責任を持とうとする姿勢がうかがえましたが、通ってみてはじめてわかることもあります。三男は父親にもそう伝え、もう1度調べ直しプレゼン。結果として三男は塾を変えました。

こうして父親に重要なことを相談するときは背筋が伸び、普段と違って敬語で話します。社会人としての大先輩である父親を前にするときは、自然と態度もあらたまるようです。父親の側も、こうしたときは子ども扱いせず、対等に扱います。

試練というのはだいたい、これまでに経験のないことが対象になります。はじめてのことに挑むのは、誰だって勇気がいるでしょう。父親からのミッションは、その"はじめて"を早いうちに体験させようという思惑がありました。その後の人生で、「これはすでに一度体験している!」となれば、挑戦へのハードルを下げ、自信にもつながると思います。

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