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『冬ソナ』時代から一変?「韓国ドラマ=恋愛」が古いと言い切れるワケ

2022年03月24日 公開

渥美志保(映画ライター、コラムニスト)

渥美志保

世界中で大ブームを巻き起こしている韓国ドラマ。家にいる時間が増え、『愛の不時着』や『イカゲーム』などの話題作を一気見した人も少なくないだろう。

かねてより韓ドラ好きというライターの渥美志保さんは、ここ数年のブームは周囲の人や執筆した記事の反応から、一過性のものではないと確信したそうだ。今までなら、韓ドラファンに対して嘲笑の空気すらあるように見えたのが変わったきっかけは何だったのか。また、渥美さんがおすすめする韓国ドラマの注目ポイントとは。

※本稿は、渥美志保著『大人もハマる韓国ドラマ 推しの50本』(大月書店)より、内容を一部抜粋・編集したものです。

 

韓国ドラマ、空前の大ブームに

『愛の不時着』以降、韓国ドラマが大ブームになっている。実は少し前までは、そんなふうにいい切っていいのか自信がなかった。私はエンタメの世界で生きているライターだから、「私の回りだけなんじゃないか…」なんて思っていたのだ。

でも今回は「韓国ドラマって、なんか…」みたいに言葉を濁していた編集者が「チョン・ヘインくん(『D.P.』)にハマっちゃって!」なんて興奮気味に連絡してくるし、インタビューする有名人に水を向ければ、たいていの人から「見てます。面白いですよね」という答えが帰ってくるからだ。

ちょっと嬉しい。いや結構、かなり嬉しい。

 

「日本のほうが優れている」と無根拠に信じていた90年代

私が最初にハマった韓国カルチャーは映画、99年の東京国際映画祭で初公開されたアクション大作『シュリ』だ。国家情報院で働く男を主人公にしたスパイもので、スケール感のある物語と迫力のアクション、スピード感満点のハラハラドキドキの展開、分断の歴史に翻弄される切ない悲恋など盛りだくさんの超娯楽作である。

何の根拠もなく「日本のほうが優れている」かのような勘違いしていた私は、そのレベルの高さに「すっげー!」とぶっ飛んだ。特に度肝抜かれたのは、俳優たちの上手さである。主演のハン・ソッキュは当時から大俳優だったが、ヒロインには後にアメリカドラマ『LOST』に出演することになるキム・ユンジン、2番手に『パラサイト 半地下の住人』のソン・ガンホと『オールドボーイ』のチェ・ミンシクという、思えばすごいメンバーだったのだ。

「OLが金土日の二泊三日で、リーズナブルに楽しめる焼き肉とエステの国」という私の韓国のイメージは、この作品でガラリと変わり、その翌年から立ち上がったばかりの釜山国際映画祭に通い始めた。まだ手作り感が漂う映画祭は興奮と熱気と歓迎ムードに溢れ、毎日毎日見る韓国映画はどれもこれも面白く、食べる料理はどれも美味しく、私は韓国がますます好きになった。

当時は、昨年オスカーを獲得したポン・ジュノ監督を始めとする「386世代(90年代当時、30代で80年代に大学時代を過ごした60年代生まれの監督)」が次々と出てきた頃で、私は会う人会う人に「韓国映画がすごく面白い!」と宣伝しまくった。だが反応は極めて悪かった。弾みまくるゴムまりを「イェーイ!」と陽気に投げたはずが、低反発マットに吸い込まれて重く沈む鉄球のように、「ふーん(ていうか興味ないし)」てな具合である。

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