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生き方

「考えグセ」がやめられない...疲れた心を整える3つのヒント

玉置妙憂(看護師・僧侶:たまおきみょうゆう)

2022年04月29日 公開 2024年12月16日 更新

 

2.【口】言霊を味方につけよう

私たちの口から出る言葉には、ものすごい力があります。昔の人は、それを「言霊」と言って信じていました。現代の生活では、その力を意識することはあまりないかもしれませんが、言霊の力は少しも衰えていません。

こんな場面に遭遇したことがあります。公園で小さな子どもと遊んでいるお母さん。子どもが走り出したのを見て、あわてて「転ぶよ!」と声をかけます。すると、まもなく子どもは転びました。お母さんが「転ぶよ!」と強い言葉を投げたからのように思えました。

言霊の強い力を利用しない手はありません。口から出る言葉は、すべていい力を持った言葉にしていきましょう。

まさかみなさん、自分自身に対して「もう歳だからだめよ」「どうせうまくいかない」なんて言葉を投げつけていませんよね。自分にこそ「わあ、今日はいい顔している!」「がんばっているね。必ずうまくいくよ!」と、いい言霊パワーをたくさんあげてください。

 

3.【意】いつも“今は旅先”と考えよう

私たちは、こうして生きていることが通常で、事故や病気でやむなくあちらへと逝くと思いがちですが、どうやら違うようです。

弘法大師さんが「阿字(あじ)の子が 阿字のふる里 立ち出でて また立ち還る 阿字のふる里」と詠まれたように、実は私たちの本拠地はあちら。もともと、あちらの住人なのです。

それが今回、80年余りの時間をもらって、こちらの世界を旅行中。今は旅先で、美味しいものを食べたり、恋をしたり、路銀を稼いだりしながら、旅を楽しんでいる最中です。

「え~っ!?だったら、ひとつでもたくさんの素敵な景色を見ておかないと!」「美味しいもの、食べられるときに食べておかないと!」そうですよね。おっしゃる通りです。

時には「しまった!」ということも起きますが、ほら「旅の恥はかき捨て」なんて言葉もありますから、気にせずにいきましょう。

旅の時間には限りがあります。楽しまないともったいない。ここでの旅が終われば、みんなあちらに帰るのです。「旅行もいいけど、やっぱり家がいいねえ」なんて言いますよね。そうです。いつかは、その家に帰るだけ。だから、思う存分、日々の旅を楽しみましょう。

さて、ご提案させていただいたのはほんの一例で、正解ではありません。みなさまにはみなさまの「身口意」の整え方があるはず。なにかいい方法を見つけたら、私にもその智慧をおすそわけしてくださいね。

【玉置妙憂(看護師・僧侶)】
東京都生まれ。長男の重度のアレルギー症状をきっかけに看護師になる。その後、夫を看取った経験から開眼し、高野山真言宗にて修行をつみ僧侶に。現在は、現役の看護師として勤めながら、院外でのスピリチュアルケアにも力を注ぐ。

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