言い訳をする部下には、あえて優しく
どの職場にも、すぐに言い訳をする部下はいるものです。でも、あまり責め立てないことをお勧めします。 言い訳は、「自己肯定感の低い人」に見られる顕著な特徴だからです。
自己肯定感とは、「自分は、価値のある人」と思える心理のことを言います。これが低いと他人の目が気になり、常に振り回される、というわけです。
そんな部下を持つ上司は「セルフ・ハンディキャッピング」を知っておきましょう。実行する前に言い訳をすることで、失敗のショックを和らげる心理効果のことです。「予習をしていないので、うまくできるかわからない」
「まだ、しっかりと教わっていないので、うまくできないかもしれない」
「難しいお客様なので、話を聞いてもらえないかもしれない」
このように、あらかじめ言い訳をしておくことによって、失敗したのは自分のせいではないとする考え方です。
1つ間違えると「他責」に思えてしまいますが、そうではありません。あくまで自己肯定感を上げるための方法として使うことが重要です。
では、いよいよ本題。部下の自己肯定感を高めるために、管理職として、何をすればいいのでしょう。
それは、その人の存在を肯定することです。お勧めの方法を紹介しましょう。まず、部下に「職場や業務で気になることはない?」と尋ねてみてください。
そして、部下がなんらかの回答をしたら、今度はそれに対して「この職場にいてくれて嬉しい」という気持ちを伝えるのです。そう言われてもなんのことだかわからないと思いますので、事例で紹介します。
上司「職場や業務で気になることはない?」
部下「そうですね......。最近、リモートワークなので、困った時に気軽に人に聞けないように感じています」
(中略)
上司「教えてくれてありがとう。○○さんがいてくれて助かるよ」
少々唐突に感じるかもしれませんが、これが効くのです。
「よくできたね」「すごいね」と褒めるのではなく、「助かるよ」「感謝しているよ」と、喜びや感謝を伝えることが、その人の自己肯定感を高めます。
どんな時でもOKです。何かを尋ねたあとに、喜び、感謝を示す。それを繰り返すごとに、職場の雰囲気も良くなっていくはずです。