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休日の午前中に3つ行動する...「目標を達成する人・しない人」の習慣の違い

清水克彦(政治・教育ジャーナリスト/大妻女子大学非常勤講師)

2022年12月28日 公開

休日の午前中に3つ行動する...「目標を達成する人・しない人」の習慣の違い

新型コロナの流行に伴い、円安、増税、年金納付の延長など、先行きが不透明な状況が続き、将来への不安を抱えている人も少なくないだろう。

政治・教育ジャーナリストの清水克彦氏は、この先、職場環境が変化してもアジャストできるよう、男女の違い、職位の差、年収の高低などに関係なく、今すぐ自分磨きに動き出すべき必要があると指摘する。

何かをはじめたいけど、なかなか一歩を踏み出せない人に向けて、決断力と行動力を高めるためのコツを聞いた。

※本稿は、清水克彦著『1秒速く動く人になる習慣』より、一部を抜粋・編集したものです。

 

休日の午前中に「3つ」行動する

「将来に備えて何か武器を身につけたい」
「趣味の領域で終わってもいいから、前から習いたかった中国語を勉強したい」

このように考えても、普段、何となく毎日を過ごしていると、気持ちの切り替えは難しいものだ。

私の場合、30代の頃から、「本を出したい」とか「大学院で学び直したい」といった思いは強かったものの、日々の仕事に忙殺され、そんな時間は取れないと最初からあきらめていたことと、オフの時間は、ダラダラと過ごす習慣がついていたために、実際に、1冊めの本を出したのは41歳、大学院に入学したのは46歳になってからと、大幅に遅れてしまった。

それでも、遅ればせながら、やりたいことをかなえることができたのは、

「自分の意思だけではどうにもならない側面がある職場での時間と違って、気持ち1つで変えられる休日の過ごし方から変えてみよう」

と思うようになったことが起点となっている。

つまり、家族サービスの時間を除けば、自分が自由に使える休日から、今までの非生産的な生活習慣を見直そうと考えたのだ。まず、「休日に寝だめをする」という習慣をやめた。

午前10時や11時近くまで寝ていたのを、平日とほとんど変わらない時間に起きるように変えてみた。そして、午前中に「これだけはやった」と言えるものを、3つやると決めるところから始めた。

最初は、クリエイティブなものでなくていい。「犬の散歩」「庭木の剪定」、それに「洗車」といったものでいいし、「洗濯」「掃除」「庭の草むしり」などでもいい。

「もう少し寝たかったな」と思う朝でも、午前7時台には起き、午前中に3つのことをこなせば、充実感が得られるほか、土曜日や日曜日が長く感じられる。

そして、休日の午前中に3つのことをこなすことが習慣化されたら、何か1つ、頭を使う作業を組み込むといいだろう。

「ブログを更新する」「読書をする」「資格試験の問題集を数ページやってみる」など、集中して取り組まなければならないものを組み込むことができれば、休日の午前中は、あなたにとって生産的な貴重な時間に変化していく。

あなたの職場を見回していただきたい。仕事ができる人の中には、頭が冴えている午前中に多くの仕事をこなし成果を上げている、いわゆる朝型人間が多いはずだ。

それは休日でも同じで、多少、寝不足感はあっても、午後に比べれば頭が冴えている時間帯に、頭を使う作業を含め3つのことを済ませておくことをおすすめしたい。

ちなみに、私は、土曜日と日曜日が休日だが、土曜日の午前中は、朝七時台には起きて、「執筆」「一週間の政治の動きを整理」、そして「洗車」の3つをこなしている。午後、昼寝をすることはあっても、朝はしっかり起き、何か3つはこなしている。

日曜日も、「執筆」「四国全県をネットしているラジオ番組出演」「ガーデニング」の3つを午前中に終えることが多い。

不思議なことに、休日をダラダラ過ごさなくなると、平日の動きまでもシャープになってくるので、まずは雑用を3つこなすことから始め、徐々にクリエイティブな要素、頭を使う作業を組み込んで、夢をかなえるための時間にしてほしい。

 

「見切る」勇気を持つ

「決断とリスクはワンセットである」

これは、棋士で「名人」や「竜王」など将棋の7つのタイトルを独占した経験を持つ羽生善治氏が、著書『決断力』の中で繰り返し述べている言葉である。決断するということは、それがうまくいかなかった場合、必ず何らかのリスクを背負う。

しかしリスクを恐れ、怖気づいているようでは思い切った決断はできないと、棋士としての数多くの勝負の経験を重ねた羽生氏は述べているのだ。

考えてみれば、政治の世界でも私たちの職場でも、リスクを背負いたくないため、なかなか決断できない政治家や上司が増えている。

思い切った手を打たないで、つねに安全策を採っていると新たな展開はない。私は、それこそがリスクだと思うのである。

さて、私たちの日常生活はどうだろう。政治家や上司だけでなく、私たちもまた、職場では、「失敗」というリスクを恐れて無難な判断をし、新しいアプローチを試みるよりも前例を踏襲する傾向にあると思うが、ともすると日常生活でも、すぐに「よし、やる」という果敢な決断ができなくなっているのではないだろうか。

景気の低迷で年収が目減りし、特に子育て世代ともなれば、さらに家計に余裕がなくなる。そうなると、当然、「コストをかけておきながら失敗したらどうしよう」「勉強しても資格が取得できなければ、注ぎ込んだお金と時間が無駄になる」などと、始める前から悪い結果を想像し、立ち止まってしまうのは、かつての私も同じである。

しかし、私の経験から言えば、それではやはり突破口は開けず、リスクは承知のうえで動いてみなければ何も変わらない。いや、目まぐるしく社会構造が変化する昨今、現状維持では後退してしまうように思うのだ。

変化が激しく先行きが不透明な時代だからこそ、リスクはあっても、意識的に見切りをつけて挑戦してみる姿勢が問われているのである。

いくつか、その「見切る」ためのコツを述べておこう。

○熟慮し過ぎない
・直感を大事にする。ごちゃごちゃ考えてしまうと、前例や固定観念に縛られる。頭の中で損得を考え、ソロバンを弾いてしまう。

○「やらない」という選択肢を捨てる
・「やったほうがいい」と思えるものであれば、「お金が……」「時間が……」と考えず、「どのようにしたら実行できるか」を考える。

○失敗しても成長できると考える
・失敗の中から修正箇所を把握し、新たな方向性を探ることは可能。「トライ&エラー」の中で、次のステップへのヒントが得られると考える。

私が執筆を始めたときは「正社員なのに副業をしている」という社内での批判への懸念、講演活動を開始したときは「せっかくの休日が潰れる」という時間的な問題、そして、大学院に通い始めたときは「2000万円もの授業料を払って元は取れるのか」という不安……それぞれにリスクはあった。

しかし、いずれも早めに見切り、「やると決めた以上、リスクは覚悟」という気持ちで臨んだ結果、一つひとつ夢をかなえることができた。あなたも、迷いは捨て、「やりたい」と思うことには果敢に挑んでみてはどうだろう。

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就寝前の5分で翌日のシナリオを描け

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