家族が家事に無関心 一人で背負わないための「ズボラマインド」の実践法
2026年04月29日 公開
お惣菜を買うことに罪悪感がある。がんばってやらなきゃと思うと、家事が余計に面倒に感じる――。すべての家事を完璧に頑張ろうとするとストレスを溜めてしまい、悪循環におちいります。料理研究家で時間管理術研究家の浅倉ユキさんが、ラク家事の実践法を紹介してくれます。(取材・構成・文:オフィス201)
※本稿は、『PHPくらしラク~る♪』2025年4月号より、一部を抜粋編集したものです。
皆さん、がんばりすぎです
「しようと思っていた家事ができなかった」「誰も助けてくれないから、ひとりでがんばらないと......」。そんな行き場のない気持ちを抱えていませんか?私たちは、完璧な「スーパー主婦」を目指す必要はありません。ちょっと想像してみましょう。
家族のために家事をがんばっているけれど「なんで手伝ってくれないの!?」といつもイライラしている人と、家事は完璧ではないけれど、いつもごきげんな人。あなたはどちらに近いでしょうか?
前者の場合、家庭内の雰囲気はピリピリひんやりしていそうです。一方、後者は、家事は多少手抜きだったとしても、家庭内の雰囲気は明るく、居心地のよさが伝わってきませんか?
毎日ごきげんに暮らすためのズボラマインドの極意
家事をするうえで、いちばん大切なのが「マインド」です。ズボラ=だらしない、ではありません。正しいズボラマインドをもちましょう。
極意①家事はしても、お世話はしない
自分がしなくてもいいことは"あえて"やらない、ことを意識しましょう。「自分のことは自分でする」という家族のスタンスをつくるのが大切です。
\これは「お世話」です/
□玄関でみんなの靴をそろえる
□脱ぎっぱなしの家族の靴下を拾う
□置きっぱなしのゴミを代わりに捨てる
□洗濯前にみんなのポケットにゴミが入っていないかを確認するetc.
【"ズボラ家事"は巡り巡って家族みんなのためになる】
日本の家庭は、海外と比較しても圧倒的に妻の家事・育児負担が大きいようです。これは、パートナーの問題だけではなく、私たち自身が「自分がしなければならない」と無意識に行動していることにも原因があります。
「家事は当然、妻がする」という構造を変えるためには、家事の主導権を自分ひとりで握らず、適度に手放すことが大切です。そうすることで家族をまきこみ、家事を「みんなのこと」にしていきます。「自分のことは、自分で」という家族の自立心も促され、家族が自然と家事をするようになっていくのです。
極意②"褒める"と"愛情表現"で家族をまきこむ
家事で手を抜いても、褒めることや愛情表現はたっぷりするのが愛されズボラ。子どもに「○○ちゃん/○○くんがコレしてくれると、小躍りしちゃう!」夫に「頼りにしているから、コレお願い♡」「(家事をしてくれたとき)さすが!」など、愛情表現をセットにし、家事を家族にふります。家族の家事のクオリティが低くても、苦言は呈しないように。
Question:家事をしているのは私なのに、夫を褒めるのは負けた気がします
Answer:「褒め=コマンド」と思いましょう。相手が動かなければ、結局はこちらの負担になり、損をするだけです。なにも心から褒める必要はありません。感情を込めた演技でいいのです。それで相手が動いたら、あなたの負担が減って得になります。つまり、こちらの作戦勝ちということです。
極意③家族に「しょうがないなぁ~」と言わせたら作戦成功!
「しょうがない、手伝ってあげるよ」と言わせるポジションをとることができたら、愛されズボラキャラが定着した証拠。「えー、できないの?」とニヤニヤされても、ムキになる必要はナシ。その調子でおいしいポジションをキープしていきましょう!
今日からラク家事をはじめよう
ここからはラク家事の実践編です。まずはできるところから取り入れてみてください。愛されズボラワードは、いろいろな場面で応用できます。
<お料理・キッチン編>
●"ひと仕事"だけ家族にバトンタッチ
家族自身が料理に自信がないと、料理を手伝うハードルは高くなるもの。炊飯器のスイッチを押すだけ、味噌をとくだけ、といった"ひと仕事"だけ家族にお願いし、「おいしい!」と大げさに褒めましょう。続けていくうちに、料理に自信がもてるようになり「今日は自分がつくるよ」と言ってくれるようになります。
・愛されズボラワード
(子どもがつくったとき)あなたの炊いたごはんが、いちばんおいしい!
(夫がつくったとき)おいしい!あなた天才よ
●お惣菜は"NO罪悪感"で明るく活用
疲れたときにはお惣菜を活用。そのときに「お惣菜でごめんね」はNGワード。謝るのは「家事=自分がやるべき仕事」だと認めてしまうことになります。家事は家族みんなの仕事なので、罪悪感をもつ必要はありません。「みんなが大好きなお土産を買ってきました!」というように明るく披露しましょう。
・愛されズボラワード
今日は......じゃじゃーん!お土産にみんなの好きなからあげを買ってきました
●献立はルーティンにして、悩まない
1週間の献立は、曜日ごとにジャンルを決めます。このとき、「火曜日=うどん」だからうどんにしたとしても、「家族が好きなものだから選んだ」感を出しましょう。自分のことを考えてメニューを決めてくれたと思うと「お母さんのお手伝いをしてあげよう」という気持ちになりやすくなります。
・愛されズボラワード
○○ちゃんが好きなうどんにしてみました
\お料理・キッチンのちょいテク/
調理の手間を省くおすすめの方法をご紹介。
お弁当のおかずをストック:シリコンカップにおかずを小分けにし、冷凍しておく。当日はその日の分を解凍し、ごはんをつめるだけでお弁当が完成。
下ごしらえは炊飯器を活用:特に大量の野菜の下ごしらえにおすすめ。水(炊飯器の1/3)と塩(小さじ1)を入れてひと蒸ししたら、小分けにして保存すると便利。
「そうめん」「鍋」をオールシーズンメニューに:調理の手間の少ないそうめんや鍋料理は優秀な時短メニュー。季節感なんて気にせず、積極的にメニューに取り入れてOK。
<お掃除編>
●明るく・楽しい雰囲気で自然に割りふる
「家の中で掃除ができていない所ってどこだろう?」と家族で意見を出し合って、大きな紙に書き出します。そのあとに、「誰がどこを掃除する?」と楽しそうに話して、掃除を割りふってみましょう。子どもが中高生くらいなら、スマホで掃除の仕方を調べてもらい、その流れで一緒に掃除したり、掃除を任せたりするのもおすすめです。
・愛されズボラワード
(楽しそうに)掃除ができていない所って、どこだと思う?
スマホ操作上手だね!私はよくわからないから、○○の掃除の方法を調べてほしいな~
\掃除のちょいテク/
日々の掃除・片づけは、ズボラテクニックで乗り切りましょう。
よく使うものはあえての出しっぱなし:よく使うものは、しまわないで出しっぱなしにしておく。「どこに置いたら使いやすい?」と置き場所をみんなで考えて決めると、元に戻す習慣が身につきやすい。
全部ではなく、一部分キレイにする:家中全部キレイにしなくては、と思わなくてOK。まずは家族がくつろぐスペースだけを片づける。ごちゃついている所は布をかぶせておけば、視界に入らず気にならない。
それでも家族が手伝ってくれないときは?
家族に家事の手間(量)を知ってもらいましょう。「こんなに手間がかかるんだ......」と実感すると、手伝う気持ちが芽生えてきます。
●家族の前でだけ家事をする"見せ家事"をしてみる
家族がいるときだけ家事をするのが、"見せ家事"。家族がいないときは、たとえ物が散らかっていても放置します。目の前で片づけることで、キレイにするためには手間がかかるということに気づいてもらうのが狙いです。目の端に捉えられているだけでも効果があります。
●楽しい実況中継で手間を知らせる
「上からほこりを払って~♪そしたら、掃除機かけて~」など、家事をするときに工程を歌にしてみましょう。小言に聞こえないように鼻歌を歌う感じで実況中継するのがポイントです。
●クイズ形式で楽しく教える
「クイズです。このゴミを分別するときは、燃えるゴミでしょうか?燃えないゴミでしょうか?それ以外のゴミでしょうか?」など、家事をクイズ形式で教えるのもおすすめです。
【浅倉ユキ(あさくら・ゆき)/あな吉】
アナザーキッチン株式会社代表取締役、全日本ズボラ主婦連盟代表理事。「主婦のストレス値を下げる」をモットーに、主婦がラクになるさまざまなメソッドを発信している。『あな吉さんの家事をやめても愛されるズボラ主婦革命』(1万年堂出版)など著書多数。






