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考えすぎを防ぐ「脳内おしゃべり」の静め方 タイプ別・魔法のフレーズ

吉村園子(上級心理カウンセラー)

2025年10月28日 公開

考えすぎを防ぐ「脳内おしゃべり」の静め方 タイプ別・魔法のフレーズ

「考えすぎて眠れない」「人の言葉が頭から離れない」――そんなとき、脳の中では"脳内おしゃべり"が起きています。これは、心配や後悔などの思考が止まらず、心身を疲弊させる状態。放っておくと、自尊心の低下や不調を招くこともあります。本稿では、タイプ別に「脳内おしゃべり」を止める魔法のフレーズを紹介。心配や後悔などの思考を軽くし、前向きな思考に切り替えるためのヒントを解説します。

※本稿は、『PHPくらしラク~る♪』2024年10月号より内容を抜粋・編集したものです

 

自分を追い込んでしまう「脳内おしゃべり」

不安や心配、怒りや後悔などが頭いっぱいに広がり、何も手につかなくなることはありませんか?これが「脳内おしゃべり」です。「脳内おしゃべり」を放っておくと、自尊心の低下や対人関係の悪化、不眠や胃痛など身体に影響が出て、うつの状態になる危険性も高まります。

まじめでやさしい頑張り屋さんや情に流されやすい人は「脳内おしゃべり」が起こりやすいので要注意。もし、「脳内おしゃべり」が始まったら、魔法のフレーズで止めてしまいましょう。

 

過去は変えられないけど、未来は変えられる

出来事をネガティブにとらえたときに生まれる、ネガティブな感情は「脳内おしゃべり」となり、身体も心もむしばんでいきます。

「脳内おしゃべり」を止めるためには、ネガティブにとらえた自分も、その感情もすべて「そうだよね」と受け止めてあげること。そうすることで「じゃあ、どうしたらいいか」「どうしたいか」を考える次のステップに移ることができます。「魔法のフレーズ」を使えば簡単です。

解決策が見つかれば、あとは行動するのみ!「今」行動することで、「未来」を変えることができます。

 

「脳内おしゃべり」タイプ別分析

当てはまるものはどれ? 6つのタイプの特徴を要チェック。

●短気タイプ
「なんでそんなこと言われなきゃいけないの」「なんで私ばっかり」「イライラする」

瞬間的にカッとなり、人に怒りをぶちまけたりすることも多発。自分の失敗や人からの批判に強く反応するタイプ。

●心配性タイプ
「もしもそんなことになったら、どうしよう!」「将来が不安でたまらない......」「失敗するにちがいない」

まだ起きてもいない未来の出来事を想像し、心配でたまらなくなる。何でも否定的にとらえがち。不安を自分であおっている。

●完璧主義タイプ
「もっとちゃんとしなきゃ」「今日もやることがいっぱいある」「もうこれ以上は無理......」

「自分はこうありたい」という高い基準を持ち、それをクリアできないと、自己批判を始めてしまう。他人のミスも許せない。

●自己否定タイプ
「どうせ私にはできない」「やっぱりダメだった」「何もする気が起きない」

自己肯定感が低く、自分を責めることが多い。否定的に見るクセがあるために、一歩を踏み出せず、可能性をどんどん狭めてしまう。

●過去執着タイプ
「あのとき、ああしていればよかった」「あの失敗がなければ」「あの人が○○って言ったから......」

過去の出来事に囚われ、くり返し思い出しては後悔する。気持ちを切り替えることができずに、辛い思いを抱えている。

●他人比較タイプ
「あの人は幸せそうでいいな......」 「なんであの人はこうなんだろう」「みんなうまくできているのに、私はできないなんてダメだな」

ことあるごとに他人と自分を比較してしまう。嫉妬の気持ちや劣等感を覚えやすく、そんな自分が嫌になる。

 

「脳内おしゃべり」をピタッと止めるタイプ別魔法のフレーズ

「脳内おしゃべり」を一瞬で前向きな考えに切り替える、魔法のフレーズをタイプ別に紹介します。

●短気タイプ

短気タイプは怒りをコントロールすることがまず、第一。自分に問いかけを行なうことで、怒りのピークが過ぎ去り、冷静になれます。

<何のために怒っているのかな?(自分を守るため/相手を正すため/気分を発散するため)>
カッとなったときは自分の怒りの理由や目的を考えよう! "6秒間の怒りのピーク"をスルーできれば冷静になれる。

<これをやらないと困るのは誰かな?>
自分が困る"自分の課題"と、やらなくても困らない"他人の課題"に分けてみる。その後、作業を分ける話し合いを。

<自分をもてなそう>
イライラするのは心身に余裕がなくなっている証拠。何はともあれ、自分の機嫌を取り癒やしてあげるのが一番!

●心配性タイプ

漠然とした不安がさらに不安をあおり、「脳内おしゃべり」を加速させます。何に不安を感じているのか、明確にすることがポイントです。

<具体的にどの部分が不安なのか点検してみよう>
人生の8つの領域(仕事・お金・健康・家族・人間関係・学び・遊び・物理的環境)のどこが心配かを確認して改善を。

<(IKKOさん風に)まぼろし~>
起きてもいない未来への心配事はすべて幻。大切な今の時間を幻の不安で満たすのはもったいないと思おう。

<そうとも言い切れないよね?>
物事はうまくいくか、ダメかの二択と決めつけない。柔軟な考えで取り組めば、新たな選択肢だって見つかるもの。

●完璧主義タイプ

誰かに頼ることや、手を抜くことも大事と心得ましょう。あれも、これもと思わず、自分のするべきこと、優先順位を明確にしていきましょう。

<やらないと私が困るのはどれかな?>
頑張り屋で100%を求める人は、他人のタスクまで抱え込みがち。そのタスクの持ち主は誰かをつねに点検しよう。

<手放してみたら?>
無理と思うなら「やめていいよ」と自分に伝えよう。キャパを超えて心が壊れるくらいなら今日をサボったっていい。

<6割ぐらいできていれば上出来!>
「完璧でないとダメ」と極端な結果を求めると、自分も周りも追い込むことに。「6割で充分」と合格ラインを下げて!

●自己否定タイプ

些細なことでもいいので、できたことを見つける視点を持ちましょう。小さな成功体験を積むことが、自己肯定感を育てます。

<過去の自分と比べて成長できたことは何かな?>
「あれも、これもダメ」と自分を減点してばかりいないで、過去の自分と比べてできるようになったことを数えよう。

<何がダメだったの?>
全部がダメだと抽象的にとらえないで、どの部分がうまくいかなかったのかを具体的に言葉にして整理してみよう。

<今日はだらだらデーにしよう!>
「絶対に仕事を休んではいけない」と思い込まない。休みたいと思ったら、何とかする方法は見つかるもの。あきらめないで。

●過去執着タイプ

過去の失敗から学ぶことはないかを検証しないまま、ただ悔やんでばかりいては時間の無駄。失敗を成功につなげる思考にチェンジしましょう。

<こっちの選択で良かったことは何?>
人生を悲観し始めたら、意識的に「良かった」点を考えよう。良いことに焦点を当てれば今がベストと気づけるはず。

<何のためにそれをしたの?>
失敗したと悔やんでばかりいないで、そのときに目指したゴールを思い起こそう。今から軌道修正して挽回できる。

<別の視点から見直してみたら?>
過去の失敗を別のとらえ方、考え方で検証すれば、止まっていた思考が動き出す。枠組みを変えてポジティブな視点に。

●他人比較タイプ

幼少期から「○○ちゃんはできるのに」などと言われてきた経験があるかも。自分の価値は他人と比べても測れないことに気づきましょう。

<素敵なあの人は、未来の私>
その人をうらやましいと思うのは、自分の求める未来の見本が目の前にいるということ。お手本にして学ぼう。

<もし私が応援役ならどんな言葉をかける?>
応援役とは自分と相手の両方を応援し、妥協点を提案するポジション。相手を責めないで前向きな解決策を探ろう。

<どうやったら、できるかな?>
人と比較して落ち込んでばかりいないで、気持ちを「Yes,how」(できる、どのようにしたら?)に切り替えよう!

 

いい「脳内おしゃべり」で自分を認めてあげよう

「自分はありのままでOK」と言葉にした瞬間、自分は幸せだと認定しています。世界は冷たい灰色ではなく「やさしい色」もあることに気づきましょう。また成長している自分を認めることで、自信がついていきます。

「ありのままでOK」
「世界は私にやさしい」
「過去の自分より成長しているね」

【吉村園子(よしむら・そのこ)】
行動心理士。ダイエットインストラクター。株式会社Tree代表取締役。心理学の学校Tree代表理事。「好循環NLP講座」を開講し、人生を豊かにしていく思考を身につけるためのサポートを行なう。著書に『一瞬で気持ちを切り替える脳内ひとりごと』(三笠書房)などがある。

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