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「内向的な人生」はつまらない? 社交性が求められる社会の息苦しさ

ティボ・ムリス(著述家,ライフコーチ)

2023年10月25日 公開

 

すべての人に対して社交的になる必要はない

私たちは社交的になるべきだと思い込んでいる。プライベートで電話がかかってきたら、電話に出るべきだと思い込んでいる。会話で沈黙を避けるために、面白いことを言うべきだと思い込んでいる。

だが、その必要はまったくない。あなたに社交性を要求する権利は誰にもないからだ。同意しないかぎり、貴重な時間を割くように要求する権利は誰にもないし、パーティーに行っても、誰ともしゃべる義務はない。

「とても楽しかったですが、そろそろ帰らなければなりません。機会があれば、また会いましょう」と言って、いつでも会話を打ち切ればいいのだ。

あなたの時間を勝手に使う権利は誰にもない。あなたのかぎりあるエネルギーを勝手に使う権利は誰にもない。

こんなふうに考えてみよう。外向型の人が話しかけてくるとき、彼らはエネルギーを補充するために他人と接する必要があるから気分がいい。

そういう意味で、あなたは彼らに「利用」されているのだ。しかし、彼らのために会話を続ける義務はない。それはあなたのエネルギーを奪うことになり、そんなことを押しつけてくる人はかなり利己的だ。

あなたは外向型の人に対して、ずっと家で本を読むように押しつけるだろうか? もちろん、そんなことはしないはずだ。

覚えておこう。あなたは誰に対しても社交的である必要はない。あなたは人と接するとエネルギーが消耗しやすいタイプだから、誰とどれだけ話をするかを慎重に決めることが重要だ。

 

無理にしゃべる必要はない

あなたは無理にしゃべる必要がない。いくらしゃべったところで、よりよい人間になれるわけではないのだから。

私はかつて、「もっとしゃべらなければ、よりよい人間になれない」と思い込んで苦しんでいた。

常に何かを言う必要があるとプレッシャーを感じていたのだ。黙っているとき、自分は間違ったことをしていると悩んだものである。

最近、同僚たちとパーティーに参加していて、突然、会話が途切れた。

そのとき、私はある人と一対一で会話をしていて、グループの会話に参加していなかったので、誰かが私に何かを言うように頼んだが、私は「とくに言うことはありません。沈黙が続いても気まずくありませんから」と言った。

おわかりのように、私はもう内向的な性格を恥じていなかった。だから後ろめたさを感じず、自信を持って、「とくに言うことはありません」と言うことができた。数年前なら、そんなことは言えなかったと思う。

驚くべきことに、多くの人が沈黙を恐れている。おそらく面白くない人間だと思われるのを恐れているのだろう。あるいは、内面を見つめるのを避けるために、意識を外界に向けているのかもしれない。しかし、たいていの場合、沈黙はすこぶる快適である。

 

恥ずかしさや後ろめたさを感じる必要はない

私たちはうまく会話ができないとかパーティーを楽しめないという理由で、恥ずかしさや後ろめたさを感じがちである。

あなたはエネルギーが足りないことについて自分を責めるかもしれない。雑談に興じられないことやパーティーの人気者になれないことに不満を感じるかもしれない。

しかし、あなたの振る舞いには何ら問題はないし、外向型の人たちの振る舞いにも問題はない。あなたの内向的な感情と振る舞いはけっして奇妙ではない。外向的であるべきだと思い込んではいけない。

恥ずかしさや後ろめたさにさいなまれるのではなく、常に自分らしさを追求すればいいのだ。

 

外向型の人たちをうらやむ必要はない

これは意外と難しい提案である。内向型の人の多くは外向的になりたいと思っているからだ。きっとあなたは、外向型の人がいともたやすく他人と接する能力を持っていることをうらやましく思っているのだろう。

自分が外向的ならどんなに人気者になれるか想像しているのかもしれない。外向型の人に反感を抱いているのかもしれない。

じつを言うと、かつての私がそうだった。

最近、私はSNS でこんな投稿を見かけた。それには、「内向型の人は幸せになれない。なぜなら外向型の人をうらやんでいるからだ」と書かれていた。言うまでもなくナンセンスだ。

あなたは外向型の人がいつも幸せだと思い込んでいるかもしれないが、それは真実ではない。外向型の人はエネルギッシュになるために外部の要素(たとえば周囲の人)に依存する度合いが大きい。

おそらく彼らは幸せになるために他人の承認を得る必要があるのだろう。外向型の人はひとりで過ごすことが苦手なので、すぐに孤独を感じやすい。一方、内向型の人はひとりで過ごしてもたいてい平気である。

覚えておこう。自分が内向型だからといって、他人と交わったり上手に会話をしたりすることができないわけではない。それは十分に可能である。

ただし、時間をうまく使ってエネルギーを補充する方法を工夫しなければならない。

内向型の人が不幸になりがちな主な理由のひとつは、自分らしさに対する理解がきわめて乏しいことにある。私たちは自分とは違うものになろうと頑張りすぎている。

私たちは外向性に偏ったレンズを通して自分を見て、その間違った価値観にもとづいて自分を判断している。

言いかえると、私たちの基本的な思い込みが間違っているのだ。前述したとおり、それは間違った期待につながり、不要な苦しみを生み出している。

 

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