お金に不安のない生活を送るには
お釈迦さまの教えを記した最古の仏典と呼ばれる『ダンマパーダ』に、このような言葉があります。
「若いときに心を育てることもなく
または財産をつくることをしなかったならば
魚のいない沼にいる老いた鷺のように悩む」
「若いときに心を育てることもなく
または財産をつくることをしなかったならば
昔のことを嘆きながら使い古された矢のように横たわる」
人間は人の間に生きています。人の間で、人からお金をいただき、人に対してお金を使い、人からの信用の量によって稼げる額が変わってきます。
お金を稼ぐということだけに、躍起になっていると、結果として、人の信用を失っていくということになりかねません。
生きていくためにお金は必要です。足るを知って、蓄財をしていくことは必要です。
でも、それ以上に必要なことは、心を育てるということです。
人を思い遣ったり、持てるものを人に分け与えたり、辛いとき、怒れるときにも我慢をしたり、調子に乗ることもなく、落ち込み続けたりすることもなく、時々に心身を整え、感謝や義理人情を忘れないなど。
そのように心を育てた人には、信用が集まるし、お金も集まる。何より、かつてのお釈迦さまがそうであったように、一切のお金を持っていなくても、必要なときに必要な人から糧や助けを得られるようになって、「お金」に縛られなくなるのです。
心身の健康に気をつけ、永く勤勉に働いて、得た収入を4分割して守り増やすこと。
「今だけ、金だけ、自分だけ」と考えて、がめつく、狭く生きるのではなく、「長い目で見て、分かち合い、助け合う」精神で、大らかに、楽しんで生きること。
それこそが、さほどお金に困ることなく、幸せに生きる秘訣なのです。