血管の健康は全身の健康に深く関わっています。しかし、加齢による血管の老化などが原因となり、動脈硬化が引き起こされてしまうことも。これを防ぐにはどうしたらいいのでしょうか?本稿では、書籍『百歳まで歩ける人の習慣』より、大血管を強くする食品について解説します。
※本稿は、伊賀瀬道也著『百歳まで歩ける人の習慣 脚力と血管力を強くする』(PHP新書)を一部抜粋・編集したものです。
大血管を強くする食品
■ニンニクには高い降圧効果がある
ニンニクについては、人を対象にした研究でも、血圧の低下作用や血管が若返る作用が多く報告されています。ただ、降圧効果のメカニズムのすべてが明らかになっているわけではありません。
ニンニクには、抗酸化作用のあるアリシンをふくむ、いくつかの生理活性化合物がふくまれています。これらが酸化ストレスを低下させ、血管の内皮機能を改善することで、血圧を改善する可能性が高いとみられています。
そのほかニンニクには、私たちの体内で血圧を上昇させるアンジオテンシン変換酵素(ACE)を阻害する成分もふくまれており、高い降圧効果を引き出す可能性があります。
多くの研究から、高血圧改善のために使用されたニンニク(ガーリック)の1日摂取量は、300〜1500ミリグラムあたりまでさまざまです。おおむね300ミリグラム程度で効果が得られています。
血管の若返り作用を検討した、オハイオ州立大学の最も有名な研究論文があります。それによると、健康な成人がガーリックパウダーを1日300ミリグラム摂取し、2年間続けた結果、ニンニクを摂取した群では、摂取しなかった群にくらべ、明らかに血管年齢が若かったことが報告されています。
ナッツの摂取も、血管の老化による心筋梗塞のような病気の発症リスクを低下させることが知られています。
ナッツには、一価不飽和脂肪酸のオレイン酸と多価不飽和脂肪酸のリノール酸がふくまれています。そのため、悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールを増やす効果があり、血管を守ってくれるのです。
代表的なナッツには、クルミ、アーモンドなどがあります。最近では、ピスタチオナッツも脂質を改善する効果に加えて、血圧を下げる作用があると報告されています。
ピスタチオには、電解質のカリウムが豊富にふくまれているので、体内の余分なナトリウム(塩分)を体外に排出して高血圧を予防するようです。
ちなみに、ピスタチオナッツはもともと、中央アジアから西アジアが原産ですが、日本には19世紀初期に伝わってきました。いまでは酒のつまみや、ケーキやクッキーなどのお菓子づくりの材料としてよく知られています。栄養価が高いことから、"ナッツの女王"とも呼ばれています。
新たなスーパーフード「サチャインチナッツ」が登場
さらに、ごく最近知られるようになったおもしろいナッツに、「サチャインチ(インカインチ)ナッツ」というものがあります。マスコミでも新たなスーパーフードとして紹介されるようになりました。
サチャインチナッツは「インカグリーンナッツ」とも呼ばれています。南米アマゾン原産で、オメガ3系多価不飽和脂肪酸に加えて、強力な抗酸化作用があるビタミンEも豊富にふくまれているため、酸化しにくいことがスーパーフードの仲間入りをした理由のようです。
サチャインチナッツからつくられるサチャインチオイルは、2004年6月にパリで開かれた国際的な食用油コンクールで金賞を受賞しています。インチとは、ペルーの先住民のことばで「命」を意味します。ですから、インカインチとは「インカの命」という意味です。
医学英語論文検索サイトの「PubMed」を調べると、10本以上の医学論文が出されていて、抗酸化作用、抗菌作用などが証明されています。ますます前途有望なアンチエイジング食品のようです。ただし、サチャインチナッツは、次の二つが欠点のようです。
①人気商品になっていて値段が高騰している。
②ほかのナッツほどおいしくない。
今後は、ピーナッツ、アーモンド、クルミ、ピスタチオなどが定番のミックスナッツのなかに、ほんの少量のサチャインチナッツがふくまれた商品が売り出されるのではないでしょうか。
最後に、もちろんナッツならいくら食べてもよいというわけではありません。とくに、カロリー制限の必要な人は、食べすぎに注意してくださいね。