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生き方

「いい習慣」の呪縛から抜け出す方法とは?

心屋仁之助(心理カウンセラー)

2017年05月15日 公開 2023年09月12日 更新

口グセを改めて考え方のクセも変える

こういう人たちの口グセは決まっています。「またやっちゃった」「また途中でやめちゃった」というように、「しちゃった」と自分を責める語尾になること。

責めることをやめるには、まずは意識的にこの語尾を変えることです。夜中におやつを「食べちゃった」ではなくて「食べた」。寝坊して「遅刻しちゃった」ではなくて「遅刻した」。事実だけでいいのです。自分を責める必要はありません。

同時に、自分が「どうせ~なんだ」と思っていることに気づきましょう。

人間は仮説を立てて、それを証明しようとします。続かないことやネガティブなことが起きたとき、「どうせ、私はできないし」「どうせ、不器用だし」と、こちらも無意識に「できない自分」の証拠を集めようとするのです。

たまに上手くいったことは、「これはたまたまだから」と例外として捨ててしまいます。そしてダメな証拠ばかり集めて「ほら、やっぱりできなかった」と、仮説が立証されたことに安心するのです。

もし、「どうせ...」と頭の中でネガティブなことをつぶやき始めたら、「いや、違う!」とキッパリ否定して、「どうせ」のあとに「できる」という言葉を続けてください。

あえてつまらなさそうに「あーあ、どうせ、またできちゃうんだ」「あーあ、どうせ、また私の話は聞いてもらえるんだ」と言ってみる。そうすることで、わざわざ「できない自分」の証拠集めをすることもなくなってくるでしょう。

 

「できない」という人は完璧を求めている

続かない、習慣化できない、という悩みは、口グセを改めることで多少は改善するかもしれませんが、根本的な解決にはなりません。先ほども言ったとおり、子供の頃の体験が根っこにあるからです。

そこで、「どうせ...」というネガティブ思考になったら、それらを使って否定していることに潜むものを考えてみてください。

「どうせ、○○さんみたいにはできない」とよく思うとしたら、子供の頃、誰かと比べて自分ができないと思ったことはありませんでしたか。「どうせ、間に合わないし」とよく思うとしたら、子供の頃、やることが遅いと怒られませんでしたか。

このように、子供の頃に「できなかった」「ダメだった」とネガティブな気持ちを持った原体験となるものがあるはず。生まれたときにはそんな思考はなかったですよね。この思考パターンをなくすには、過去をよく振り返って、"責め"の原点となっている体験を見つけ出すことです。

具体的な「出来事」が思い出せなくても「いつ頃から」などという曖昧なものでも大丈夫。早起きできないことも、ダイエットが続かないことも、すべてはこの原体験が根っこにあるのです。

それを見つけたら、「私はこんな人間なんだ...」と落ち込むのではなく、「私はこんな人間なんだ!(笑)」と笑ってしまいましょう。勝手にダメ人間だと思っているだけで、そんなことくらいできなくてもいいのです。だって、できないんですもの。それが自分なのです。わざわざポジティブに考えることさえ必要ないのです。

「習慣化できない」と言う人にかぎって、イメージするレベルが高すぎるのです。完璧でないと「できる」と言ってはいけないと思い込んでいる。合格点は、100点中15点くらいでいいし、そもそも合格点は自分で決めればいいのです。

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夜更かししたければすればいい

著者紹介

心屋仁之助(こころや・じんのすけ)

心理カウンセラー

1964年、兵庫県生まれ。大学卒業後、佐川急便に入社。営業企画部門の管理職を19年間務めたのち退職、心理の世界へ。「自分を好きになる」ためのサポートを行なう「性格リフォーム心理カウンセラー」として、独自手法の“言ってみる”心理カウンセリングや、その手法を広めるためのカウンセリングスクール・セミナー・講演・執筆活動などを行なう。『「心が凹んだとき」に読む本』(王様文庫)など、著書の累計は280万部を超える。4万人の読者をもつメールマガジンを発行。テレビ番組にレギュラー出演するなど、メディアでも活躍中。

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