なぜ「家計簿」をつけただけでやせられたのか?
2017年08月23日 公開 2024年12月16日 更新
南極のペンギンになってみよう!
それでは、具体的にどのようにすればよいのか? 習慣を持続させるために、私は7つの方法を考えましたが、ここではそのうち3つをご紹介したいと思います。
皆さんは、慣性の法則を上手に使って移動する動物をご存知ですか? そう、ペンギンです。ペンギンは、平たい氷の上にお腹をつけるようにして滑り込み、ほとんど自分の力を使わずに、ツルツルと気持ちよく前に進んでいきますよね。
ペンギンは滑るために、自分の力を使うのではなく、平らなツルツルの床を使っています。人間も同じで、無理に「続ける」のではなく、自然に「続く」環境をつくればよいのです。
例えば、私が「フラット化」呼んでいる技術があります。新年の豊富を実現できる人が少ないように、目標を高く掲げるのは床の傾斜確度を上げることに似ています。急な坂道を登ろうとすれば、たくさんガソリンを消費してしまいます。ところが、あまり高い目標を掲げなければ、ガソリンを消耗することもありません。ペンギンは平坦な摩擦のない氷の床だからこそ、長く滑り続けることができます。
もし私がダイエットのためにいきなりハードなトレーニングメニューに取り組んでいたら、どうなっていたでしょうか。過去にそうだったように、すぐに挫折していたでしょう。新しい習慣を始めるときには、あえて大きな志を抱かないで、目標を低くすることをお勧めします。
騙されたと思って試してみれば、人生が変わる!
もう1つの技術は、「細分化」です。アフリカには「象を食べるには一口ずつ」ということわざがあるそうです。習慣も同じで、毎日大きな課題に取り組もうとすると、すぐに心が折れてしまいます。
ペンギンの例で言うなら、目の前に大きな氷山があるようなものです。ああ、あの山を切り崩さなければならないのかと思うと、心が折れてしまいますよね。それならば、大きな氷山を小さな氷に砕いてしまえばよいのです。私も「100万円貯める」という大きな課題に取り組むのではなく、毎日数回スマホで家計簿をつけるだけの、小さな習慣に着手しました。
最後に、もう1つ。「見える化」という技術をご紹介します。これは、自分がやったことの成果を見えるようにすることです。ペンギンの手の届くところに小魚があったらどうでしょう? あの魚を食べられるならやってみようと思いますよね。私の場合は、スマホで家計簿をつけることによって、節約の成果が可視化されました。
また、太っている状態で筋トレを始めるのではなく、ある程度食事で贅肉を落としてから筋トレを始めることで、筋肉のハリが目に見え、毎回効力感を得ることができました。1回1回の取り組みの効果を感じられる仕組みをつくっておくことが長続きの秘訣になるのです。
この他にも4つの技術がありますが、それらを組み合わせることができれば、私の人生に奇跡が起きたように、あなたがこれまでずっと挫折してきた習慣も、今度こそ長続きさせることができるはずです。
ぜひ一度、騙されたと思って試していただけましたら幸いです。
川下和彦(かわした・かずひこ)
3ヶ月で18kgの減量に成功/
1974年兵庫県生まれ。大学院修士課程を修了後、2000年広告代理店に入社。人一倍意志が弱く、お酒が大好き。誘われたら「NO」と言えず、飲み歩く毎日。新卒で入社後、みるみる体重が増加し、身長175㎝で体重80kg超えに。「これではイケナイ!!」と、藁をもつかむ思いでスマホをつかみ、家計簿をつけ始めたところ、わずか3週間でマイナス5kg、3ヵ月後には18kgのダイエットに成功。ジーンズのウエストは、34インチから29インチに。プヨプヨのスリーパック(三段腹)は、キレキレのシックスパック(割れた腹筋)に。今でもリバウンドしていない。趣味(と実益)は、お酒と筋トレ。41 歳にして習慣化の極意を体得し、人生が変わった。目下、人生快走中!
著書に『家計簿つけたら、ヤセました!』(あさ出版)。